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技術力×人間力を磨く研修を提供―延べ約1000社9千人のエンジニアを輩出!

理系・語学系×企業ジョブマッチング/テクノコア
記者の目/ここに注目
□独自プログラムによるITエンジニア養成校を運営
□新人研修はみっちり6カ月!若手に多数チャンスあり!

システムエンジニア(SE)という職種は多くの場合、客先に常駐してシステム開発に携わる。SEを派遣するシステム会社は無数にあり差別化が難しいが、「ITエンジニアの養成・教育」を事業の柱としているのが、「感動を創造する」を企業理念に掲げるテクノコアだ。

代表取締役社長
鎌田 景史さん

1999年創業の同社は、2005年には「教育事業部」を立ち上げ、IT企業研修センター「AxiZ」の運営をスタート。現在まで延べ約1000社9000人のエンジニアを輩出している。研修には「新入社員向け」「既存社員向け(経験者向け)」の2パターンあり、主力サービスである「新入社員向け」はテクノコアオリジナルの研修プログラムをパッケージ化したクラス制の集合研修として提供。複数の企業の新入社員が同じ教室で学ぶ合同研修のため、会社は違っても「同期ができる」と、とくに新入社員が少人数の企業に好評だ。

鎌田景史社長は近年の研修について「単に技術的な内容だけでなく、開発手法の考え方、ヒューマンスキルの伸ばし方なども求められていると感じています。初任管理職の若手への接し方などコミュニケーションに関わる課題も多いですね」と指摘する。そうした声を拾いながら研修内容をリニューアルし続け、受講企業からは「技術だけではないプラスα(時間管理、仕事への向き合い方、プレゼンテーション力など)が身に付く」と好評だ。

研修期間中に社長と新人が交流

鎌田社長がこだわるのは、顧客に対しても社員に対してもリアルでのコミュニケーションを大切にしていることだ。「コロナ禍で研修や業務がオンラインの時期もありましたが、やはりリアルで相手の表情を見ながら話すことに意味があります」(鎌田社長)

2021年度からは、鎌田社長自身が若手世代の教育に関わり、若手の思いや考えを知るべくコミュニケーションを活性化させている。2年間関わった感想として「今どきの若者に対して持っていた意識を変えられたことが大きいですね。今の子がさまざまなことに対して不安や不満を持ち解決方法として正論を主張したがるが、それは我々も同じだった。ただ、それを口に出せる時代になったことで今どきの若者の特徴としてさまざまな媒体で取り上げられ上の世代に面倒くさい存在として避けられて損をしている。メディアが作り出すイメージに惑わされず本当の姿がわかったことは今後の育成や仕事をしてもらう上でとても大きい」と時間をかけてじっくり話すリアル対面の重要性を再認識している。

テクノコアの新入社員が受講する研修期間は採用部署によって異なるが、2021年度は研修期間中の平日は社長と日報を通じてやり取りし、さらに毎週金曜日には社長と新人たちが食事をしながらのミーティングを実施し交流を深めた。2022年度は沖縄で3ヵ月の合宿研修を実施。この間、新人は日報の提出以外にも火〜木曜日は社長と1人10分程度の面談をし、金曜日は食事をしながらのミーティングを実施した。今後も合宿研修を継続する。

「合宿研修は、技術スキルの習得もそうですが、一番は新人同士の関係性の構築が狙いです。本音で言い合える仲間を作って欲しいと思っています」(鎌田社長)

技術研修で講師として活躍する小屋原さん
技術研修以外のサービスもリリース

文系×理系でさらにパワーアップ

研修後は、システム事業部では先輩SEについて客先に赴くOJTが中心となり、教育事業部では翌年4月にリリースするシステムを新人たちだけで開発する。講師として教えるためには、テキストだけの知識ではなく開発経験から得られる活きた知識が必要だと考えるからだ。「勤怠管理システム」などのテーマが与えられ、企画からスケジューリング、試験運用まですべて新人が行う。

実は、ここ数年の新入社員は文系学部の出身者だ。逆に言えば、文系でも問題なくSEや講師になれるということで、テクノコアの研修プログラムの充実度を示している。

「とはいえ、吸収スピードが違います。やはり基礎的な素養がある理系出身者も必要です。今多くいる文系SEと合わさることで、さまざまな視点が生まれ、新サービスにつながるなど、よりおもしろい会社になっていくでしょう。私の仕事は自社の未来を担う人、つまり若手を育てること。新人は気持ちひとつで可能性に満ちています。そこに力をつける機会を提供するのが私の役割。若手にどんどんチャレンジしてほしいと思っています」(鎌田社長)

産業界のDX推進に伴い、多くの企業でIT人材の育成が急務となる中、技術力および人間力が獲得できる研修を提供している同社の価値はますます高まっていくだろう。それに伴い若手の活躍の場も広がっていくに違いない。

理系出身の若手社員に聞く
文系でもやる気さえあれば問題なし

教育事業部兼サービス企画室
小屋原 陽樹さん
(2021年入社)

文学部出身ですが研修がしっかりしているので問題ありません。現在はアシスタント職を務めていますが、研修がない時期はSEとして開発業務を経験しながら早く講師職になれるよう日々努力しています。大学時代、塾講師のアルバイトをして教える魅力にハマったこと、IT業界の可能性を感じたことが入社の理由です。決め手は鎌田社長の姿勢です。私が塾講師時代に大事にしていた「雑談力」を、社長も大切にしていたんです。実は面接では趣味のサッカーについて熱く語ってしまい盛り上がり…上級職もフレンドリーで働きやすい職場です。

会社DATA
所在地 東京都千代田区内神田1-18-13
設立 1999年4月
代表者 代表取締役社長 鎌田 景史
資本金 5100万円
従業員数 60人
事業内容 エンジニア向け研修・教育、ITシステムの設計・開発・運用
URL https://www.techno-core.jp/

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