製造業に特化したコンサル受注No.1―3つの強みで日本のモノづくりを支える
記者の目/ここに注目
□自社でイチからコンサルタントを育成
□モノづくり企業の成長に携われる
1980年の創業以来、製造業に特化した「実践コンサルティング」を展開するテクノ経営総合研究所。生産部門を始め、開発、調達、物流、販売に至るまで、モノづくり現場の各プロセスにおける課題解決に最適なソリューションを提供している。その実績は実に4,500事業所に及び、独立系コンサルティング会社としてはトップを誇る。

平井康之さん
その背景には「3つの強み」がある。まず、業務委託という雇用形態が多いコンサルティング業界にあって、同社のコンサルタントは100%正社員であること。平井康之専務は「当社は未経験の新人でも一人前に育てていくのが得意」と胸を張る。
2つめは独自に開発したコンサルティング手法VPM®(Value Producing Management)を展開していること。「これは例えればパソコンのOSのようなもので、社内のコンサルティングにおける共通言語です。“準備期間は3カ月”など、コンサルティングの大きな流れを定めています。そのOSの上に、各コンサルタントのスキルが乗り、クライアントの状況に応じたコンサルティングを提供することができます」(平井専務)
VPM®は同社におけるコンサルティングの基盤となるものであり、それが盤石であるからこそ新人がしっかりと育っていく。
3つめは、顧客との契約が公開セミナーをきっかけにしていることだ。
「コンサルティング会社の契約チャネルの多くは、口コミや銀行からの紹介ですが、当社では“興味がある人”に、セミナーに来ていただくことを起点としています。そこで当社のスキルに納得いただいてから契約して欲しいためです」(平井専務)
1つの会社を大改革に導く醍醐味
「3つの強み」が発揮できるのは、「日本のモノづくりを支える集団であり続ける」という理念があるからだ。加えて、コンサルタントたちが「モノづくりが好き」だということが大きい。多くのコンサルタントは製造業出身だが特定のモノづくりに携わるのではなく、日本経済を支えてきた「日本のモノづくり」を広く活性化させたいという熱意があるのだ。
「コンサルティングというとスマートなイメージですが、我々のコンサルティングはモノづくりの現場に入って、クライアントの従業員を巻き込んで課題解決に導く、ある意味非常に地道で人間味のある仕事です」
そう話す平井専務自身、多くの製造業の指導に携わり、生産性を倍増させたり、世界トップシェアに導いたり、年間1億5千万円もの製造コストを削減するなど、実績を残してきた。
「1つの企業を大改革することに携われるのは、この仕事の醍醐味です。コンサルタントの手腕によって、まるでドラマのようなことが起こります。他の仕事では味わえないやりがいに満ちています」
若いうちから実務経験を積める
コンサルティング業務は、高度な知識や豊富な実践経験が必要だと思われがちだが、平井専務は「だからこそ未経験の若い人を、イチから我々で育てたい」と言い切る。
「経験が大事だからこそ、若いうちから当社で経験を積んで長く活躍してもらいたいのです。クライアントは製造業なので理系の知識は必須ですが、それはあくまでもベースの部分。未経験でも“自分たちが日本のモノづくり企業をリードしていくんだ”、という志があれば大歓迎です」


導入研修は、コンサルティングの基本習得および横のつながり強化のための「集合研修」と、配属先の所属長による「個別研修」の大きく2つで、その後先輩に同行する。1カ月で独り立ちするケースもあれば、1、2年かかることもあり、新人の能力に応じてじっくり育成している。
「やみくもな規模拡大は目指していませんが、いいコンサルタントを育てて指導先が増えれば、それだけ日本のモノづくりに貢献できます」と平井専務の視座は高い。
同社ではコンサルタントのほか、企業トップと交渉する機会も多いコンサルティング営業やシステム部門においても、“志のある若手”を募っている。自身も成長しながら、日本の製造業の活性化に携われるのは、同社ならではの魅力だ。
理系出身の若手社員に聞く
幅広く製造業の改善に携われる充実の日々

和田 開さん
会社DATA
所在地 東京都干代田区九段北4-1-7
設立 1980年9月1日
代表者 代表取締役社長 隅谷 洋
資本金 1億円
従業員数 100人
事業内容 製造業向けコンサルティング、セミナー開催、人材教育支援
URL https://www.tmng.co.jp/