囲碁AIの研究で寄付金募集、クラウドファンディングを活用する意義

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電気通信大学はミュージックセキュリティーズ(東京都港区、小松真実社長)とクラウドファンディングを活用し、囲碁の人工知能(AI)研究と技術交流のための寄付金募集を始めた。囲碁AIに代表されるゲームAI技術と「人間の知の拡張」の研究に向け、寄付金を囲碁AIイベントの費用に充てる。プロ棋士との懇親会参加などの特典を用意。300万円の寄付金を目標としている。

ミュージックセキュリティーズの大学の教育・研究開発に特化した寄付プラットフォーム「セキュリテ アカデミア」で寄付金を募る。電通大は日本棋院と提携し、プロ棋士とコンピューター囲碁開発者を結ぶ研究会や、囲碁AIイベント「電通大(UEC)杯コンピュータ囲碁大会」の実績がある。

寄付金は同大会の賞金、謝礼、運営費などに活用。5000円以上の寄付金に特典がある。金額によって同大会でプロ棋士による解説を聞くことができる特典もある。

囲碁などのゲームAIは人間の能力を超えるようになってきた。だが、一手が人間の感覚とかけ離れているなど思考の過程に違いがある。研究ではこうしたAIの思考を人間に理解しやすい形に変換し、見える化する。人間の学習意欲に訴えるAI学習支援システムなどに応用されることが期待される。

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

「寄付における特典狙いは邪心だろうか?」は、特定プロジェクト向けクラウドファンディングや、コロナ対応でさらに強くなった同窓会寄付の話に接するたびに、頭をもたげる問いかけだった。しかし邪心なしなら「寄付はパス」または「5000円」で終わる。それが邪心とともに(今回の特典は、プロ棋士解説会の特別優待席、参加者とプロ棋士懇親会への招待)が付いているなら「ええい、思い切って100万円!」とできるかもしれない。そう考えると特典は社会的におかしなものではない、というのが結論だろうか。今回の寄付者と特典獲得の状況を後日、尋ねて(もちろん個人情報ではなく、件数などで尋ねる)みたいところだ。

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