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自治体の副業人材公募で有利に、社会情報大学院大が「地域PM養成」開設

社会情報大学院大学先端教育研究所は、10月から地方自治体のプロジェクトをリードする「地域プロジェクトマネージャー(PM)養成課程」を開設する。社会人向けで研究生として平日夜2コマ20週で学び、総務省の地域PM制度活用や、地方での副業などを後押しする。受講費用は約31万円で定員30人。自治体の課題解決の演習を通じ、企業などでの経験を生かした新たなキャリアを考える機会になる。

地域PM養成課程では博士号取得者を含む現役公務員幹部らが実務に根ざした自治体の制度や仕組みを講義する。同時に地方創生や官民連携の実務に関わる教員から具体例を学ぶ。課題に対する政策提言や講評も含む演習では茨城県ひたちなか市、青森県むつ市などを取り上げる。

受講から半年後に修了書が得られ、地域PMや自治体の副業人材の公募で有利になるとみられる。2021年度に始まった総務省の制度は、自治体が地域PMを1―3年の任用職員(正規の公務員)として雇用し、住民票が移動する場合に補助する仕組み。また、地域・産学官連携関係者をつなぐプロジェクト責任者などの副業人材公募のニーズも増えている。

日刊工業新聞2021年8月27日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
専門職大学・大学院など実務重視の教育は、教員が学びの対象に強いネットワークを持つのが魅力の一つだ。教壇に立つ実務家教員の生の今の声、実践的な演習、そして就職先候補の紹介だ。「都市部のフルタイムを止めるのは厳しいけれど、地方と2拠点の副業に関心あり」という社会人をズバリ、狙った新課程といえそうだ。

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