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withコロナ下での感染対策の決め手は「ウォークスルー型」(医療機関事例)

サーマルカメラで発熱者のスクリーニングを検討されている方へ
withコロナ下での感染対策の決め手は「ウォークスルー型」(医療機関事例)

コニカミノルタの提案するMOBOTIXのサーマルカメラ

新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、発熱者検知用途でサーマルカメラ(赤外線カメラ)の導入が進んでいる。業種や規模を問わずに、オフィス・工場・病院・他様々な建物内の入口部分に設置して、入場者の体表温度を測定して発熱者のスクリーニングをする光景が新しい日常になりつつある。

※ページ下部に異なる4ヵ所にてウォークスルーで検証した動画有。

今日はこのサーマルカメラでのスクリーニングを既に3ヵ月以上運用している医療機関の声を紹介します。

医療機関での活用事例

医療法人財団康生会武田病院の武田純病院長

「ウォークスルーで検知可能となるため、スタッフ含めて来院者への負担を軽減できる」。医療法人財団康生会武田病院(京都市下京区)は、3月末に同カメラ1台を正面玄関に設置。武田病院長は設置のメリットをこう強調する。以前は病院スタッフが玄関口に3人程度常時立って来院者を一人ずつ検温しており、来院者に玄関の外で待機してもらう場合もあった。サーマルカメラ設置後は、来院者やスタッフはカメラが設置した通路を普段通り歩くだけで体表温度を測定してスクリーニングができる。

さらに、従業員の検温負担と感染リスクを減らす事ができることも大きいメリット。パソコンなどの画面で来院者の体表温度を確認する監視者一人で対応できるため、「より効率的なスクリーニングが可能となった」(同病院長)という。こちらの機器を導入したコニカミノルタジャパンによれば、スタッフがハンディー型やタブレット搭載型のサーマルカメラで測定する場合は1分当たり約20人の体温測定にとどまるが、サーマルカメラを用いたウォークスルー形式の場合は同60人以上の測定が可能となる。

武田病院内でのサーマルカメラ設定風景

病院にとって、院内感染防止の徹底は重要な課題。発熱してウイルスに感染している可能性がある来院者をいち早く特定して対応すれば、院内の入院患者や従業員の感染リスクを減らす事に繋がる。武田病院長は「今回の設置を機会に、これまで複数あった出入口をスタッフ・来院者含めて入口をサーマルカメラを設置した1ヵ所に限定して、感染拡大防止を考慮した院内の動線について再度見直す機会になった」と話す。加えて「入口で発熱者の早期発見は、コロナ以外にもインフルエンザなどの季節風の感染症にも活用できるのでスクリーニングの必要性はコロナ後も続くだろう」と話す。

今回の武田病院長への取材で、我々の健康はこうした医療関係者方々の日々の努力と改善活動によって支えられている事を改めて知る事ができた。

アフターコロナでも活用

一方で注意しておきたいのは、サーマルカメラでは100%の発熱者の検知や感染防止はできないということ。マスクや手洗いなどそのほかの方法でも100%の感染防止は難しいのが現状だ。

ただ、手洗いやマスク着用といった個人の対策に加え、企業や施設管理者など組織側でしか行えない対策としてサーマルカメラの活用が一つの手段になるのも事実。先述のコニカミノルタジャパンは「危機感を持った各組織の担当者が、BCP対策の一つとし運用面も加味して普段通り歩くだけで良いMOBOTIXのサーマルカメラを採用いただいている」と話す。消耗品ではないため、一度購入すれば長期間使用することができ、多くの人が出入りする場合は非常に効率的と言える。新型コロナの終息が不透明な中、サーマルカメラを用いた感染拡大対策に期待がかかる。

需要の変化に対応

コニカミノルタジャパンではもともと設備機器や製品の異常熱を検知して製造現場での事故防止や業務改善を行う目的でMOBOTIXのサーマルカメラを提案してきた。カメラ自体にCPUが内蔵されており、設定した温度をトリガーに他の機器と連携させる事で人の手間を減らし業務効率化に貢献。サーバーなしでの運用が可能なため、サーバー管理が困難な現場でスマート工場化の一翼を担うために活用されていた。

しかし今回のコロナ下で、人の体表温度測定しスクリーニングする用途で利用されるケースが急増している。新型コロナ感染が始まって以来、同サーマルカメラの問い合わせ件数は約20倍にまで増加した。

こうした用途の変化や需要増に対応するためにコニカミノルタではグループ一丸となり、お客様の運用を起点に必要機材を同梱してパッケージ化。さらに、開発期間2ヵ月という圧倒的スピード感でAI解析による顔検知のアプリケーションを開発して5月末より提供開始。

今回導入した武田病院長からも「赤外線カメラで測定できる人の体表温度は外気の影響を受けやすく、実際の体温と異なる場合も多い」とお話があった。室内に入った直後は日光の影響を受けやすく正常体温であっても体表温度が高くなる。この結果、体表温度が基準値を超えてアラートが発生する割合が高まりスタッフが体温を測る回数が増えてしまう。こうしたお客様の声を受けてコニカミノルタでは更に改良を進め、7月中には顔検知アプリに新たに4つの機能を追加する準備をしている。

1.体表面の温度から体温を推定する機能
→なじみのある体温表記にする事で表示をわかりやすくする。
2.画面内で検知する顔サイズの最大値の設定を追加
→撮影距離に合わせた顔検知を可能にする。
3.計測値、判定結果をカメラに送信する機能を実装
→送信したデータを表示させる事でチェック・管理作業を簡便化し、それを元に運用の改善に繋げる。
4.非発熱者のみへのアクション(ドア開錠・ゲートオープン等)指示機能
→無人で、発熱していない人だけが入場できる仕組作りを支援する。

このようにコニカミノルタジャパンでは日々お客様の声を聞きながらソリューションを進化させ、お客様への提供価値向上を行っている。これはもともと画像処理技術に強い上にMOBOTIXというカメラメーカー自体もグループ会社である同社ゆえの強みであろう。

MOBOTIX 発熱スクリーニング用サーマルカメラ 設置シーン別 動画

異なる4か所にてウォークスルーで検証

MOBOTIX サーマルカメラの強み

・ヘルメット・眼鏡・マスク着用でも検知可能。※1
・複数人が一時停止せずにウォークスルーで検知する事が可能。
・測定対象者に接近する事なくスクリーニングする事が可能。
・設置環境・距離に応じたレンズを選択が可能。※2
・カメラ内蔵スピーカーから予め設定した音声を発報する事が可能。
・警告灯等の外部機器やVMS・IP電話と連携して警告・指示をサーバレスで設定可能。※3
・オプションの顔検知ソフトを活用する事で誤検知を減らす。※4
・サーマルターゲットを利用する事で精度・設定作業の簡素化。
・MOBOTIXサーマルカメラは米国のNDAA対象外のカメラである。

【関連記事】新型コロナウイルス感染対策におけるサーマルカメラ活用の注意点とは

【コニカミノルタジャパンとMOBOTIXについて】

ドイツ・MOBOTIX(モボティクス)は、ネットワーク監視カメラシステムの開発と製造、販売を手がける企業。コニカミノルタの出資により2016年にコニカミノルタグループ参入。コニカミノルタジャパンはMOBOTIXの日本代理店。M16サーマルは赤外線(サーマル)カメラであり、可視画像センサーとサーマルセンサーを備え、対象となる人や物の表面温度を可視化する。録画機能つき。価格は三脚設置ですぐ使えるパッケージが1セット約140万円(消費税抜き)で、法人のみに販売する。

サーマルカメラで発熱者をスクリーニング後は、適切な対応を行って下さい。
 例:医療用の体温計で検温、ヘルスチェックシート記入、専門医療機関へ受診を促す等。

※1:人体で表面温度が高くなる傾向にある、額が見える状態で運用下さい。
※2:事前現場検証時等の納品する前に利用するレンズを確定させていただきます。
※3:通話品質はネットワークの通信状態・速度に依存します。別途設定費用要。
※4:同時に複数人検知が可能ですが、密状態での運用は感染防止のため避けて下さい。

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