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次世代型路面電車“LRT”がつなぐ宇都宮「NCC構想」とは?

佐藤栄一市長に聞く。~11月6日に都内でセミナー開催~
次世代型路面電車“LRT”がつなぐ宇都宮「NCC構想」とは?

「LRTは新たな人の流れを作り出し、経済活動の活性化につながるだろう」と佐藤市長

 宇都宮市は企業の立地を活発化させるため、各種支援施策を展開している。4月には新たな補助制度を創設し、営業所や事務所などの新・増設に対する補助金の交付を始めた。

 創設したのは「オフィス企業立地支援補助金」。対象業種は製造業、建設業、ソフトウェア業や広告代理業などの特定サービス事業、教育・学習支援業など多岐にわたる。新規で1人以上を雇用することや事務職の女性の割合が2割以上であることなどを条件に、賃借料や改修費などを補助する。オフィス企業の立地を増やし、女性の雇用創出などにつなげる。「女性が就労しやすい場所を増やすきっかけにもなる」(経済部)として、18年度は4件程度の実績を目指す。

 補助金で誘致を加速する一方、その後は受け皿の確保が課題となる。そのため同市は8月、市公式ホームページ内に市内の空きオフィスを掲示する「空きオフィスバンク」を開設。オフィス企業立地支援補助金と組み合わせて、より効果的な企業誘致につなげる。

 バンクへの掲載には、必要な資料を提出し、市の審査を経ることが必要。審査後、交通アクセスや延べ床面積などの物件情報がウェブ上で紹介される。これら補助金施策や空きオフィスバンクなどの活用で企業誘致を加速し、これにともなう雇用の創出で拠点ごとの経済活動を活発化させることで、宇都宮市が目指すネットワーク型コンパクトシティ(NCC)構想の実現に弾みをつける。

 では、NCC構想とは何か。宇都宮市の佐藤栄一市長に話を伺った。

宇都宮市 佐藤栄一市長に聞く


 -ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)とは、どのようなまちづくりの考え方なのでしょうか。
 「本市には高度な都市機能が集積した中心部と、古くから発展してきた郊外部の地域の拠点がある。こうした都市構造を踏まえ、中心市街地や各地域のコミュニティ、産業団地、観光地の拠点化を図る。その拠点間を鉄道やバスなど利便性の高い総合的な公共交通ネットワークで結ぶことで人やモノ・情報の活発な交流を促進する。各拠点がそれぞれの地域特性を活かしながら連携・補完し合い、市民生活の質や都市としての価値や活力を高められる都市空間を形成する」

 -NCC構想のツールの一つにLRT(次世代型路面電車)があります。
 「LRTはNCCによるまちづくりを支える総合的な公共交通ネットワークの要として、本市に必要不可欠な“都市の装置”だ。JR宇都宮駅東口から芳賀町までの14・6キロメートルを駅西側に先駆けて整備中であり、全国初の全線新設で2022年3月の開業を目指している。LRTは新たな人の流れを作り出し、経済活動の活性化につながるだろう」
市が導入するLRT(次世代型路面電車)

 -LRTの整備計画と合わせて沿線の開発機運も高まりそうですね。
 「主要な停留場付近に他の交通機関との乗り継ぎ施設『トランジットセンター』を整備する。中でもJR宇都宮駅のトランジットセンターに隣接する駅東口地区の整備については野村不動産などで構成するグループ『うつのみやシンフォニー』を優先交渉権者として選定した。今後はこの優先交渉権者とともに、コンベンション施設や企業が入居可能なオフィス施設などを整備する予定だ。こうした本市のまちづくりについて11月に開く立地セミナーで詳しく紹介する。気軽にお越し頂き、移住・定住も含めて本市を選んでもらえたらうれしい」

●イベントの詳細・申し込みはこちらから
https://www.utsunomiya-biz.jp/
宇都宮市企業立地セミナーin東京
日時:平成30年11月6日(火)13:00~16:00
会場:ベルサール八重洲
定員:100名 参加費無料

JR宇都宮駅東口地区の整備イメージ




日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
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