今日のリケジョNo.016

株式会社竹中工務店

梅田 尚子さん

(日刊工業新聞社2012日02月23日掲載)
梅田 尚子さん

在学中の地震、進路を決める

株式会社竹中工務店の梅田 尚子さん

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から、まもなく1年がたとうとしている。竹中工務店に入社して4年目の梅田尚子さん(28)は地震動・震源の研究者。
地震空白域とされた福岡県で生まれ育ち、九州大学工学部建築学科に在学中の2005年、福岡県西方沖地震に遭ったことが進路を決定づけた。
大学院は人間環境学府に進み、都市共生デザイン専攻。主に地震防災を研究する都市防災研究室で震源となる断層ずれのシミュレーションに取り組み、建設会社に仕事の舞台を求めて上京した。

地震に強い建物・街つくる

株式会社竹中工務店 製造技術本部 製造技術統括部 製造技術1部成形技術1グループ 鈴木智子さん

 福岡県西方沖地震は私にとって、本当に初めての有感地震だったんです。九州北部は地震がこないといわれていたので建物が壊れ、人的被害も出たのは衝撃的でした。
大学進学で建築学科を選んだのは、西洋建築が好きだったから。ただ、学んでいくうちに周りにもっとこだわりのある人たちがたくさんいることが分かりました。期せずして遭遇した福岡県西方沖地震が、私の新たな興味を呼び起こしてくれたのです。
 研究職として入社し、1年間の研修期間をへて技術研究所(千葉県印西市)に配属されたのは3年前。東日本大震災が起こったときは実験棟にあるコンピューター解析室で作業中でした。
大きな揺れに、ついに南海トラフの巨大地震がきたのかと思いました。テレビが東北地方太平洋沖が震源であることを伝え、津波が家々を押し流していく様子を映し出しました。あまりに衝撃的で、ただそれを見ていることしかできない自分の無力感にさいなまれました。
 でも、目に見えない深部の地盤を推定して地下構造モデルを構築し、3次元シミュレーションにより長周期・短周期の地震動を高精度に予測できれば、地震に強い建物・街づくりを着実に進めていける。実際、今回の震災でも制震・免震などの対策を採っていた建物が被害を免れています。われに返って、自分の仕事の役割を自覚しました。
 技術研究所の立地は東京のイメージとはちょっと違いましたが、職住近接の自転車通勤で研究環境は申し分ありません。週末には電車で1時間もかからない銀座など都心へ出掛け、趣味と実益を兼ねて街を見て歩きます。


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