スペシャルインタビュー山本美月さん

誰も知らないことを知りたい

昆虫や爬虫類とたくさん戯れた子供時代を過ごし、生物への興味から大学では生命科学を専攻―。こんな経歴を持つのは意外にも、女性誌のモデルをはじめ、CM、ドラマ、映画など活躍の場を広げる山本美月さん(23)。「誰も知らないことを知りたい」という彼女のルーツや、仕事と勉強の両立、今後の好奇心の行方について聞きました。

生き物と触れ合った子供時代


子供の頃から理系科目が得意だったのですか。

生物が得意で、テストは毎回ほぼ満点でした。生き物は子供の頃からずっと身近な存在だったので、興味があったんです。家の周りも自然が多かったですし、祖父が生物の先生をしていて、各地で植生調査をしていたので、そこに遊びに行っていろいろな生物と触れ合っていました。爬虫類や昆虫と触れ合うことが多く、おたまじゃくしをすくったり、イモリと遊んだり。祖父が卵を見つけてきて孵化させたらヤマカガシだったので、仕方なく逃がしたこともありました。また実家では、犬、猫、うさぎ、リス、文鳥などを飼っていました。

一番思い出に残っている場所はどこですか。

祖父が住んでいた福岡県の矢部村です。家の敷地に山も川もあって祖父が研究できる環境を整えていました。夏は川で遊んで、秋は芋ほりをして焼き芋をするなど、楽しかったですね。

高校までを福岡で過ごし、大学は明治大学農学部生命科学科に進まれています。

東京に行ってモデルのお仕事をしたいと考えていたところ、高校3年生の時に『CanCam』の専属モデルが決定。両親は国公立大学を望んでいましたが、モデルの仕事が忙しくなり多くの教科を勉強する時間がありませんでした。それなら私大農学部トップを目指そうと、明治大学を志望しました。

iPS細胞は「錬金術みたい」


大学の授業で印象に残っているのは。

農学部なので農業実習を行うのですが、私が行ったときはちょうど作物の収穫が終わってしまっていて、ひたすら収穫されたラッキョウの根切りをしていました(笑)。また3年生から所属していた研究室では、病気に強いイネを作るための品種改良などについて研究していました。研究室は3割くらいが女性でした。

生物研究の面白さはどんなところですか。

生物には未知の部分がたくさんあるので興味が湧きます。わからないことを解明したい、誰も知らないことを知りたいという気持ちが強いんです。

仕事と学業の両立はかなり大変だったと思います。

2年生までは学校に行けていたのですが、3年生からは仕事がかなり忙しく両立が大変でした。
特に、連続ドラマに出演した時はテスト期間とかぶってしまい、台本とテスト内容の暗記を同時にして頭がパンクしそうでしたね。NGも何度か出してしまいましたが、現場のみなさんが明るくフォローしてくださいました。
また、研究室の教授がとても優しく、サポートしていただいたおかげで、4年間で卒業するという両親との約束を果たせました。

大学時代の友達との会話で「理系だな~」と感じることはありますか。

私がALS(筋萎縮性側索硬化症)をテーマにしたドラマに出演した際には、友達と「iPS細胞で治療できる可能性が出てきているよね」という話をしましたね。
もともとiPS細胞については興味があり、高校時代にはiPS細胞とES細胞の倫理的問題の違いについてのレポートをよく書いていました。ES細胞は受精卵を使いますが、iPS細胞は受精卵を使わず万能性が高いと知り「錬金術みたい!」とわくわくしました。

生き物と関わる仕事を積極的にしたい


生物好きが仕事に活かされたことはありますか。

以前テレビ番組のロケでシンガポールの動物園に行ったときは、動物とたくさん触れ合えて楽しかったです。これからも生き物と関わる仕事があれば積極的に受けていきたいです。でも「動物もの」の番組に弱くて、すぐ感動して泣いちゃうんですけどね。

たくさんの動物と触れ合ってきていると思いますが、特に好きな動物は。

コツメカワウソです。カワウソってかわいいんですよね。それ以外にも、動物から爬虫類、昆虫、クラゲなんかもいろいろ好きです。でもサルは苦手。昔、猿山でスカートをめくられたことがあるんです。

生物以外に、新しく勉強したいことはありますか。

星や宇宙の勉強がしたいなと思います。地球以外に生命体がいたら面白いなと思います。

これから仕事がますます忙しくなると思いますが、休日の息抜きは。

録画したアニメを見ることです。ロボットアニメは意外と心理戦が多いので好きです。「コードギアス」シリーズ、「エヴァンゲリオン」、「天元突破グレンラガン」などなど。最近は「アルドノア・ゼロ」にはまっています。でも一番好きなのは「鋼の錬金術師」。主人公のエドワード・エルリックが大好きです。

もし自分に子供がいたら、理系に進んでほしいですか。

そうですね。うちの家族は、理系が多いんです。そのせいか、私自身、母から「理系の方が手に職をつけられる」と言われ続けていました(笑) 子供ができても仕事は続けたいです。それを受け入れてくれる世の中になってほしいと思います。