大日精化工業株式会社

朴 惠珍さん

リケジョ小町No.75

医療向けフィルム開発

 「ゼロからぶつかる難しさはありますが、楽しさの方が大きいです」。大日精化工業の朴惠珍さん(33)は、胸部の外科手術後に正常組織が癒着・結合するのを防ぐ、フィルムの導入実験に取り組む。科学技術振興機構(JST)の産学協同実用化開発事業(NexTEP)にも採択。天然由来の高分子にこだわり、既存の高分子製品を選択・分析して再現性を確認する毎日だ。「製品はきっと“わが子”のような存在になる」と、仕上げに磨きをかける。

ピアノ中心の生活から化学のとりこに

「韓国で生まれ育ちました。幼い頃からピアノを習っていて、将来は音楽の先生になるのが夢でした。それが中学校で化学の授業が始まると、原子や分子の面白さに魅せられて。完全にとりこになったのは高校時代です。理論で教わったことが現象として目に見える実験はワクワクするばかり。ピアノ中心だった生活がガラッと変わりました」

「大学ではもちろん化学を専攻し、研究の道を究めたいと大学院にも進みました。ナノ粒子を用いてがんを高感度で測定したり、検出したりする仕組みを構築するのは楽しかった。東京工業大学の三原久和教授とお会いしたのは、そんな時。ペプチド工学を使ったケミカルバイオロジー研究に刺激を受け、ナノ粒子と組み合わせた研究をしてみたいと直感的に思いました」

日本の企業文化が新鮮

「東工大大学院では4年半を過ごしました。応用研究が主体の韓国に比べ、日本は基礎研究に重きを置く印象です。とにかく上を目指すことを求められる競争社会になじんでいただけに、みんなで話し合い一緒に進めようとする日本の企業文化も新鮮でした。どちらも長所・短所はありますが、視野が広がったことは間違いなくプラス。この感覚は仕事でも役立っています」

「最近ワインにはまっています。お薦めは独特な味と香りがあるスペイン系の赤。友人とお店を訪ね歩いて、好みを探しているところです」

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