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企業のメーンバンク、首位は三菱東京UFJ。大手行以外で気を吐くのは?

第二地方銀行の北洋銀行、信用金庫は京都中央信金
 東京商工リサーチは国内150万2573社のメーンバンクのうち、個別行のトップは三菱東京UFJ銀行だったとする調査結果をまとめた。大手行を除くトップは第二地方銀行の北洋銀行。信用金庫は京都中央信金の7910社、信用組合は茨城県信組の2960社がトップだった。

 都道府県別では東京都、大阪府、愛知県で三菱東京UFJ銀行が首位となるなど、大都市圏は大手行が優位を維持するが、地方では地方銀行のシェアが圧倒。島根県の山陰合同銀行が65・7%、和歌山県の紀陽銀行が63・1%と、県内シェア50%以上の地銀は18行を数え、県内シェア2位に入った信用金庫も8信金あった。

 ただ、金融機関はマイナス金利導入後の貸出金利の低下、人口減少で稼ぐ力が低下。このため、合併・統合による規模拡大、コスト削減に向けた再編の動きが強まっている。

 2018年には、りそなホールディングス(HD)が近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行の連結子会社化を予定。この3行と、りそな銀行を単純に合算すれば、大阪府内のシェアは23・1%に上昇し、トップの三菱東京UFJ銀行の21・0%を上回る。

 ふくおかフィナンシャルグループの親和銀行と十八銀行の統合は再延期となった。県内の貸し出しシェアが70%に達する統合に公正取引委員会が待ったをかけた格好だが、東京商工リサーチの調査でも、両行をメーンバンクとする長崎県内の企業数のシェアは83・7%に達した。

 都道府県別のシェア50%超の地方銀行が他銀行と統合、合併したのは山口銀行、肥後銀行、鹿児島銀行の3行のみ。

 地元有力企業と密接に結びつき、高いシェアを持つ地銀は統合に積極的とは言いがたいと指摘。だが、収益力が落ちた金融機関は再編圧力を無視できず、競争が激しい都市圏、二番手以降の金融機関の動きに目が離せないと分析している。
                
日刊工業新聞2017年8月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
最近(昔からかもだが)は再生案件でも、メーンバンクの仕事してないでしょ、という事例をよく見る。地方の有力企業でも債権者区分が本来なら破たん懸念先に区分されてもおかしくないところが数多くあり、地銀はなんとか誤魔化そうとしているが、自己資本比率を守るためには再編・統合に動かざるをえない。本格的な企業の再建になれば地銀にノウハウはそれほどない。PEファンドなどと組むケースも増えてくるだろう。

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