中堅企業こそ「ESG」投資がなじむ!?情報開示促す

環境省がシステム導入

 環境省はESG(環境・社会・企業統治=用語参照)情報の開示システムに、中堅企業が段階的に情報開示レベルを向上できるプログラムを導入する。簡単な調査票や講座を用意し、2016年に世界で22兆ドルに達したESG投資を呼び込む機会を中堅企業にもつくる。17年度は開示システムへの参加を16年度比2倍の500社への拡大を目指し、企業が情報を公開する国内最大のシステムにする。

 環境省は20年度をめどに本格運用を目指し、情報開示システム「ESG対話プラットフォーム」の整備を進めている。企業はESG情報を専用ウェブサイトに登録し、投資家が各社の情報を一覧できる。企業と投資家が直接対話できる機能が特徴。16年度はパナソニックやトヨタ自動車など255社が参加した。

 17年度はESGに関心はあっても開示や投資家との対話方法がわからない“初心者”の参加拡大を目指す。自社で発刊している環境や企業の社会的責任(CSR)などの各報告書をリンク機能を使って登録するところからスタート。最終的には環境情報の共通質問に回答してもらい、システムに登録する。16年度までの共通質問とは別に、初心者向けに質問を絞った調査票を用意する。

 講座は環境・CSR、IR(投資家向け広報)の担当者を対象に18年1月まで3回開く。10月の初回は基礎編、次回以降は参加者の要望を聞いて内容を決め、最終的には開示や投資家との対話に必要な知見を身につけてもらう。

 企業の気候変動問題への取り組み評価で世界最大の英NGO「CDP」の調査でも、質問を受けた日本500社のうち回答は半数に留まる。16年度のプラットフォームへの参加もほぼ同数であることから、情報開示で企業格差があるとみられる。政府はESG投資の比重を増やすように促しており、中堅企業への広がりが課題となっている。

【用語】ESG=環境・社会・企業統治の英語の頭文字。欧米では持続的に成長する企業を選ぶ投資基準となっている。世界最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もESG投資重視を打ち出しており、日本の16年のESG投資額は前年比2倍の56兆円とみられる。

日刊工業新聞2017年8月4日

松木 喬

松木 喬
08月06日
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中堅企業にもインフラ系やB2B企業も多く、長期視点で事業に取り組んでいる企業が多いのではないでしょうか。環境情報の開示に不慣れなのは、B2C企業ほどブランドイメージを気にしていなかったからかもしれません。そう考えると、中堅企業ほどESG投資がなじむ気がします。

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