日の丸デバイス、躍進再び?

電子部品大手5社の4-6月期決算。早くも3社が上方修正

 電子部品大手5社の2017年4―6月期連結決算が31日までに出そろい、3社が増収、営業増益となった。各社とも車載・スマートフォン向け部品の堅調な需要が追い風となっている。18年3月期連結決算業績予想は日本電産、TDK、アルプス電気の3社が上方修正を発表し、強気の姿勢を見せる。スマホ向けで確実に稼ぎつつ、M&A(合併・買収)などで体制強化を進める。(京都・園尾雅之、渡辺光太)
                 


 村田製作所はスマホ向け高周波部品が中国市場で在庫調整の影響を受けたことなどにより、各利益段階が落ち込んだ。ただ藤田能孝副会長は「一時的な調整。今後回復していく」と予想する。9月にソニーから引き継ぐ電池事業は「2年後に売上高2000億円を目指す」とし、横浜市に新設予定の研究開発拠点も活用する考えを示した。

 TDKは主力のリチウムイオン二次電池が、中国市場で中級機種以下のスマホ向けにも販売が拡大。二次電池を含むフィルム応用製品の17年7―9月期の売上高は、前年同期比約10%伸びる見込み。一方、18年3月期は厳しく予想する。米インベンセンスの買収に伴い、約1200億円ののれん代を想定するためだ。山西哲司取締役は買収額の妥当性について「引き続き評価を進め、年末にかけて確定する」とした。

 京セラは車載向けディスプレー、スマホ向けの水晶部品やコンデンサーなど、部品事業が全般的に好調。谷本秀夫社長は「ITバブル時期を除けば過去最高レベルの受注。ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を使うデータセンター関連は、19年3月期も落ちないだろう」と見通す。

 日本電産は海外企業のM&A効果などにより、売上高と営業利益が四半期ベースで最高を更新。欧米拠点ついては、M&Aの効果を示す指標「統合プロセス(PMI)」を今後5年で10%改善させ、業績向上を狙う。

 今後は車載向けに加え、ロボット向けも強化。永守重信会長兼社長は「ロボット関連の売上高は(将来的に)1兆円となる。アーム型製品や(関節部品などを作る)日本電産シンポの製品へ投資し、生産数を確保する」と話す。

 アルプス電気は家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」向け触覚デバイス製品などが好調だ。スマホ向け部品は「中国市場は軟調だが、引き続きハイエンド端末は高機能化の傾向が強い」(気賀洋一郎取締役)と堅調な受注を見込む。また車載情報機器を手がける子会社、アルパインとの経営統合も発表。車載向けを強化する。

 旺盛な部品需要に支えられ、各社とも好調さを維持しており、引き続き攻めの姿勢を崩していない。

日刊工業新聞2017年8月1日

尾本 憲由

尾本 憲由
08月02日
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かつて日本の半導体メーカーは売上高1兆円の大台を何度か突破しながら、決まってそこで伸び悩み、沈んでいった。まあ、これは日本勢に限った話ではなく、1兆円を踏み台に大きく飛躍できたのは現時点でインテルとサムスン電子(半導体部門)ぐらいだ。そこで次に期待がかかるのが、電子部品メーカー。日本企業の勢いがかつての半導体をしのぐ雰囲気になってきた。日本電産の永守会長兼社長が10兆円を目標にかかげるように、1兆円はあくまで通過点に、半導体の世界2強をもしのぐ企業が現れてほしい。できれば続々と。

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