トヨタの強い意欲ここにあり!本社工場に先端技術開発の巨大拠点新設へ

PHV、EVで追いつくべき課題があることへの裏返し

 トヨタ自動車は2018年春をめどに、愛知県豊田市の本社工場敷地内で先端技術の研究開発などを担う新棟を稼働する。まず燃料電池(FC)関連を中心に据え、幅広く環境分野などの研究開発を推進するとみられる。一部は生産も担う。今後、世界各地で燃費規制や環境規制が強化される。トヨタは電気自動車(EV)の開発も積極化するなど、対処すべき課題が多くなっており、総力を集めて体制を整備する。

 新棟は10階建て程度で、延べ床面積が約7万平方メートル。すでに着工している。投資額は100億円以上を想定する。勤務する従業員は「初期は1500人くらいの見込み」(トヨタ幹部)で、将来は増える可能性もある。先端技術や環境分野など関連する部署から集める。環境関連などの最新研究設備の充実や担当する従業員の集約で、研究開発を迅速に、効率良く手がけやすくする。軽量化技術なども担うとみられる。

 トヨタは14年12月に世界で初めて市販した燃料電池車(FCV)を「究極のエコカー」と位置付け、20年以降に世界で年3万台以上の販売を目指し、量産設計を進めている。

 一方、世界的な規制強化の流れを受けてプラグインハイブリッド車(PHV)の普及やEVの開発も急ピッチで進めており、新棟での取り組みが重要な役割を果たしそうだ。

 本社工場敷地内では13年に地上12階、延べ床面積約10万平方メートルの「パワートレーン共同開発棟」も稼働している。エンジンや変速機などのパワートレーンユニットの研究開発や生産技術の機能を集約した。本社テクニカルセンター内にも同年、風洞実験棟を稼働。車両技術開発の設備を増強している。

日刊工業新聞2017年7月26日

中西 孝樹

中西 孝樹
07月27日
この記事のファシリテーター

 延べ床面積が約7万㎡の先端研究に特化した新棟は、かなりの規模であり、トヨタの環境技術分野での先端・先行開発加速化への意欲を強く感じる取り組みだ。先行するFCVに加え、PHV、EVで追いつくべき課題があることは否定できない。パワートレイン開発棟は3年前に視察したが、組織と人材の横・縦の連携を強化した工夫に溢れていた。いま、トヨタが刷新中の多くのパワートレインがここから生まれてきている。

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