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【今週のリケジョ小町】「かゆい」と思われないように努力する

牧野フライス精機株式会社 横田 祥子さん
**工具研削盤のエンジニア
「お客さまに“かゆい”と思わせてはいけません」−。工作機械メーカー、牧野フライス精機(神奈川県愛川町)の横田祥子さん(26)は工具を作る工具研削盤のエンジニア。購入前に機械が顧客の要望を満たすか否かの相談に応じ、購入後は操作方法を教える。顧客と接する最前線の仕事だ。気配りの利いた様をかゆいところに手が届くというが、「かゆいと思われる前に行動する」のが信条。学生時代にカフェで働き、そう気付いた。

「かゆい」と思われないように努力


「購入を検討しているお客さまが機械の性能を確認するテスト加工や、座学での操作指導を担当しています。東京電機大学工学部機械工学科で塑性加工を勉強しましたが、入社前は工具についてよく知りませんでした。逆にお客さまは工具メーカーの方が多く、私は日々勉強です」

「一方、詳しくない方もいます。工具を内製しようと工具研削盤を初めて買われるお客さまです。そうした方も理解できる説明、資料づくりを心がけ、「かゆい」と思われないように努力しています」

「それには学生時代のアルバイト経験が役立っています。大学入学から4年生まで東京・秋葉原のカフェで働きました。上手に接客したいと、評判のレストランに行ってはサービスを観察しました」

「3大禁句」を実践


「メーカーのキャンペーンガールとして通った家電量販店では「できません、ありません、わかりません」が3大禁句。わからなければ他の人に確認し、できなければ代替案を示すことを、今も実践しています」

「学生インターンシップで当社を知り、希望した仕事をさせてもらっています。最近は5月に習い始めたプログラミングが一番楽しく、早くお客さまに提案できるようになりたい。多くの方に当社の製品を使ってもらうのが目標です。個人的には得意の英語を生かして仕事で欧米に行きたいです」
 
日刊工業新聞2017年7月24日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
学生時代にみっちり仕込まれた「気配り」が彼女の最大の武器になってゆきそうです。

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