宇宙ゴミの除去、ベンチャーや中小企業が面白い!

アストロスケールにANAなどが出資

 ANAホールディングス(HD)やOSGは、宇宙ゴミの除去技術を開発する宇宙ベンチャーであるアストロスケール(シンガポール)に出資する。ほかにも数社出資するとみられ、アストロスケールは今回、2500万ドル(約28億円)の出資を受ける。調達した資金は技術開発やサービス展開などに充てる。これまで産業革新機構やジャフコなどから出資を受けており、資金調達額は総額5300万ドル(約60億円)に達した。

 2018年初旬までに数ミリメートル程度の小さな宇宙ゴミを計測する衛星「IDEA OSG1」を、19年前半に宇宙ゴミの除去衛星の実証機「ELSA―d」を打ち上げる計画。

 地球の周りには運用済みの人工衛星やロケットの残骸などの宇宙ゴミが存在し、宇宙開発の妨げになっている。

 岡田光信アストロスケール最高経営責任者(CEO)は「20年までに宇宙ゴミの除去サービスを始められるようがんばりたい」と語った。

日刊工業新聞2017年7月17日



由紀精密、パリ航空ショーで存在感


  6月にフランスで開かれた世界最大の航空宇宙産業展「パリ国際航空ショー」。由紀精密(神奈川県茅ケ崎市、大坪正人社長)は、パリ北東部の会場ル・ブルジェ空港の南東の建屋に、連続4回目の出展ブースを構えた。

 その対角線には、首都圏の中小企業ネットワーク「東京メトロポリタンアビエーションネットワーク(TMAN)」の加盟9社が東京都と初出展。日本の中小企業の単独出展は珍しく、小さいブースながら由紀精密の存在感が際立っていた。

 由紀精密はネジなど精密部品の切削加工を得意とし、近年は航空宇宙と医療分野で仕事が増えている。実績が上がっているのが宇宙分野で、小型人工衛星の筐体(きょうたい)を数機手がけた。シンガポールのアストロスケールが2018年初旬の打ち上げを計画している、スペースデブリ(宇宙ゴミ)観測用小型人工衛星の筐体も製作した。

 スペースデブリは人工衛星や国際宇宙ステーションに衝突する危険性が指摘されている。大坪社長は「スペースデブリの“清掃”につながる」とアストロスケールの計画に期待を寄せる。

 パリ航空ショーの前週、大坪社長は仏リヨンなど欧州各地に立ち寄った。15年に現地法人をリヨンに設立するなど、欧州での受注獲得に向けた手を打っており、その一環だ。

 「フランスの航空宇宙産業の市場は日本の4倍ある」。大坪社長は現地進出の意義を説く。最近は欧州メーカーとの取引も少しずつ増えてきた。特に宇宙分野をターゲットに据えており「当社は少量多品種、短納期、高精度などの条件を満たせる」と自信をみせる。

 16年には自社を含む日仏の中小製造業4社の共同受注組織を設立した。以前から取引のある神奈川県茅ケ崎市の企業が賛同し、ともに活動することが決まった。欧州での受注対応力を高める狙いだ。大坪社長は「中小だけでも海外に進出できるモデルケースにしたい」と意気込む。
今年3月には皇太子さま由紀精密をご視察された(右は説明する大坪社長)

(文=名古屋・戸村智幸)

日刊工業新聞2017年7月10日


明 豊

明 豊
07月17日
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アストロスケールの岡田社長は、由紀精密の大坪社長の大学の先輩。岡田さんが大坪さんを誘い協業がスタートした。今年3月には皇太子さまが由紀精密をご視察、二人でお出迎えした。宇宙ビジネスは大手よりもむしろ最近は、ベンチャーや中小がどんどん先頭に立っている。ANAは昨年、PDエアロスペースにも出資している。

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