お堅そうなメーカーも、どんどん個性的なオフィスに変身

働き方改革もまずはカタチから

タイヤのような求心力を!


 タイヤモチーフの円形オフィスで求心力、一体感、帰属意識を醸成―。東洋ゴム工業は1999年までの約半世紀のあいだ工場を置いた創業時代ゆかりの地(兵庫県伊丹市)に本社を移した。4―6階部分が円形状の外観で約300人が詰める4・5階の執務エリアは、中心部のコミュニケーションスペース(写真)を取り囲むような年輪状に座席を配置。社員同士の距離を縮める多様な仕掛けで意識改革を後押しする。

 旧本社では七つの階に分かれて執務をしたが、新本社では二つの階に圧縮。4―6階中心部は吹き抜け構造で、4階中心のブース式、カフェ式、スタンディング式などのショートミーティングスペースで議論を活性化する。気軽に集まり、相談し、緊密な連携を促すことで新たな価値創造ができる土壌を作った。

 15年発覚の免震ゴム性能偽装で信用失墜した同社は、ゆかりの地で原点に立ち返り、部署の垣根を無くし、総合力で変革を図る。

日刊工業新聞2017年7月14日



毎朝、くじ引きで席決定


毎朝のくじ引きによって席が決まる

 メタルアートは本社管理部門(滋賀県草津市)で固定席をなくすフリーアドレスを採用し、オフィスのレイアウトを刷新した。対象は本社事務所2階の総務、経理、経営企画で、経理が忙しい月初は他部署が応援するなど、繁忙期に各部署が相互に支援する仕組みとした。部署間の垣根をなくし、意識を変えることで1人当たりの生産性を高めるのが狙い。他の事業所にも順次広げる。

 机は複数合わせば円形にもできる勾玉(まがたま)型を採用。社員はノートパソコンを入れた手提げかばんとPHSだけを持ち、毎朝のくじ引きにより席に着く。固定電話や移動式の引き出しもない。大量にあった紙の文書は電子データ化して8割を処分し、個人持ちをなくした。

 社員1人当たりの生産性向上を見越して3部署の合計人員は減らし、意識改革も促す。今後は営業、購買、生産管理がいる本社事務所1階や、他の事業所へと改革の対象を広げる。多田修社長は「コミュニケーションがスムーズになったことが一番の効果。帰社時に何もなく、気持ちが良い」と評価する。

 鍛造メーカーの同社は売上高の半分弱がダイハツ工業向けで、ダイハツが昨年にトヨタ自動車の完全子会社となったのに伴い、トヨタグループから仕事の依頼が急増している。今春から技術部門でも大部屋方式を採用しており、人材を最大限に活用する。

日刊工業新聞2017年6月22日

尾本 憲由

尾本 憲由
07月15日
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フリーアドレスを採用する企業は増えているが、そのカタチはどんどん個性的になっている。机を向かい合わせに配置して島をつくる昔ながらの事務所(あえてオフィスと言わない)は、ずいぶんアナクロに感じられる。ここで固定観念に縛られるメリットは何一つないのだろう。

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