「ZEH」戸建て住宅の新たなビジネスチャンスになるか

積水化学が勾配屋根に太陽光パネル

 積水化学工業は6日、家庭内で使用するエネルギーを100%自給自足できる住宅の第2弾「スマートパワーステーションGR」を28日に発売すると発表した。勾配のある寄棟タイプの屋根に大容量の太陽光発電パネルを搭載した。消費税抜きの価格は延べ床面積3・3平方メートル当たり74万円台から。積水化学創立70周年記念商品として、初年度700棟の販売を目指す。

 太陽光パネル一体型の屋根「スマートGルーフ」を新たに開発。延べ床面積99平方メートル(30坪)程度の一般的な住宅規模でも容量10キロワット以上の太陽光発電システム(PV)の搭載を可能にした。これまでの商品は平らな屋根に太陽光パネルを搭載しているが、勾配屋根に対する需要に対応した。

 大容量PVと家庭内エネルギー管理システム(HEMS)、蓄電池、高断熱アルミ樹脂複合サッシなどの組み合わせにより、住宅のエネルギー収支を実質ゼロにできる「ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)」に対応する仕様を標準化した。さらに電気自動車と連動させる「ヴイ・トゥー・ハイムシステム」の活用で、電力を外部からまったく購入しない生活が可能。

 スマートGルーフは工場内で太陽光パネル設置や屋根ふきを済ませるため、建築現場での作業も減らせる。
(ZEHのイメージ、資源エネルギー庁公式ページより)

日刊工業新聞2017年7月7日

江原 央樹

江原 央樹
07月10日
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 本記事の商品は、いわゆるZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれるものであり、経済産業省は、「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標とし、普及に向けた取り組みを行っている。
 経済産業省の定義によれば、“ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅”であり、長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)に掲げられた省エネルギーについて、石油危機後並の効率改善(35%程度)を実現する有力な手段の一つとの位置づけである。その普及を担う事業者として、自社が受注する住宅のうちZEHが占める割合を2020年までに50%以上とする目標を宣言・公表した住宅関連の企業をZEHビルダーとして登録し、目標管理をすることにより新築戸建を中心に住宅へのZEHの普及が進みつつある。
 ZEHが普及することにより、地域単位でみたときの低炭素化や省エネ化がある一定割合で促進されていることになるが、国交省の統計資料によれば、全国の戸建ての新築が年間約54万戸(平成28年度)であるのに対し、既存の住宅は約2661万戸(平成25年度)存在するため、更なる省エネルギーの促進に向けては、既存の戸建て住宅のZEH化あるいはZEH化に近づけるソリューションの開発や普及が必要であり、また新たなビジネスチャンスと捉えることができるのではないだろうか。

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