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スバル、電動・自動運転の有力技術に目利き役

調達部門に専任の担当者
 SUBARU(スバル)は電動車両や自動運転車の開発に必要な技術を調達する専任担当者を新たに配置した。専任者が必要な技術情報や調達の課題を収集・整理し、有力な技術を持つ企業との円滑な取引につなげる。調達部門はこれまで車の生産増に伴う部品の調達対応に追われていたが、2016年度までにめどを付けた。今後は将来を見据えた先進技術の取り込みを強化し、スバル車の競争力向上につなげる。

 調達本部内に専任担当者を3人配置した。専門人材が中心となり電動化、自動運転、コネクテッドカー(つながる車)など次世代車に必要な先進技術や部品情報を収集する。

 既存のサプライヤーやこれまで取引のない企業が持つ先進技術を把握するとともに、実際の調達に向けた課題を洗い出す。

 スバル車の開発を担う技術本部との連携も強める。次世代車の開発会議に参加し、調達部門のバイヤーに開発部門が求める技術ニーズをフィードバックし調達活動に生かす。

 これまでは電動車両や自動運転など先進分野の調達を担う専任者はいなかった。このため調達部門全体で情報や課題を共有するのが難しかった。

 スバルは4月1日付で購買本部から調達本部に名称を変更した。名称変更の狙いは、中長期を見据え次世代車に必要な技術や開発リソースを含めた調達を戦略的に行うための体制強化で、今回の専任担当の配置もその一環となる。
日刊工業新聞2017年7月5日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
スバルは20年に高速道路で車線変更を含めた自動走行技術を実用化するほか、21年に電気自動車を投入する計画を掲げている。研究開発では電動化への対応を最優先に行い、自動運転、コネクテッドカー関連の開発も積極化する。 (日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

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