機体や部品だけじゃない!世界トップ3を伺うダイフクの空港搬送システム

M&Aのシナジー徐々に

 ダイフクが2020年度までの4カ年中期経営計画で、空港向けシステム(ATec)事業を第4のコア事業として育成する方針を打ちだした。航空会社、空港、空港コンサルタントなどを顧客に、手荷物搬送システム(BHS)や自動手荷物チェックインシステム(SBD)を手がけ、保守サービス事業も展開している。世界的な旅客増と空港設備投資拡大を取り込み、右肩上がりの成長を狙う。

 ダイフクは物流システムの世界最大手で、国内を起点に事業を伸ばしてきた。ATec事業は07年の米ウェブ買収を機に、海外企業を相次ぎ傘下に収めて拡大してきたという異色の経歴を持つ。

 そんな経緯から米国、英国、ニュージーランドで計4社ある各子会社は従来、独自色の濃い経営だった。「各地域市場に応じた展開は必要。だがインテグレーション力、商品力、エンジニアリング力、営業マーケティング力、サービス力がバラバラでは、かけ算の競争力が生まれない」(本田修一取締役専務執行役員)と指摘する。

 5月にシステム納入が始まったカナダ・モントリオール国際空港の案件は、グループ各社が一体となり受注した初の案件。3月にオランダで開かれた国際展示会では、ATecブランドの元にグループ各社が結集したブースで提案した。

 「これまでバラバラだったが、集合体としての展開が進みつつある。至らない所はあるが、上位企業に食い込む土台はできた」(同)と、手応えを感じる。

 空港設備は案件の複雑化・大型化で、総合力が試される。ダイフクはグループ横断で案件に最適なチームを編成して対処するほか、製造面でも各子会社の拠点を柔軟活用できる体制を構築。システムとサービスのセット提案も推進する。

 航空会社にとって重要な定時離着陸には、旅客の乗り遅れ防止や預け入れ荷物のスムーズな受け渡しが不可欠。旅客と手荷物の流れを常時把握できるような仕組みや、荷物紛失ゼロを推進するシステム、ソフトウエアなども開発し、空港業務の効率化、自動化を後押しする。

 

日刊工業新聞2017年6月19日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月28日
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物流システム世界最大手で今年、創立80周年。一般製造業・流通業向け、半導体・液晶生産ライン向け、自動車生産ライン向けの各搬送システムなどを手がける。空港向け搬送システムは世界500以上の空港で納入実績あり。シェアは蘭バンダーランデ、独ボイマー、独シーメンスに次ぐ4位。早期の3強入りをうかがう。
(日刊工業新聞社大阪支社・松中康雄)

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