頑張れば社員は報われるのか?東電次期社長が担う重責

小早川智明氏「インセンティブが増えるような仕組みを」

 〈53歳での社長就任は東電では最年少。営業畑が長い経歴も異例だが、社内の新たな体制づくりの構想はすでに練られている〉

 「組織の縦割りの打破に取り組みたい。原子力の安全性の広報対応などが問題になったが、内部の意思疎通が十分でなかったからだ。これは原子力部門だけでなく、社内の全ての組織が抱えている問題だ。法人営業部在籍時にはプロジェクトごとに混成チームを結成し、課題を解決した。(その経験を生かし)課題ごとに混成チームをつくり、閉塞感を打破したい」
 
 〈福島第一原発事故での損害賠償や廃炉などの費用をまかなうため、既存事業の再編統合に加え、「稼ぐ力」が求められる。担い手の育成が課題になる〉
 
 「(新しいビジネスモデルを確立するには)熱意だけでは不十分だ。経営の経験をつむエクササイズが必要になる。30代半ばから40代半ばの若手に経営する場を提供したい。いきなり大会社の経営をやってというわけにはいかないが、規模が大きくても小さくても経営には共通するものがある。新規事業の立ち上げの際にはチャレンジする機会を与えたい」
 
 〈新しい事業計画「新々総合特別事業計画」の前提となる柏崎刈羽原子力発電所の再稼働時期が不透明な上、国有化の延長で社員の意欲低下も懸念される〉

 「いつになったら、何が変わるのかが見えないのが社員の気持ちだろう。頑張れば頑張ったなりに将来があることを、できるだけ早い段階で目に見える形で示したい。自ら手を上げてやり遂げ、成果を出すことが重要だ。貢献した分、インセンティブが増えるような仕組みを今後作っていく必要がある」
 
 〈江戸中期に米沢藩を財政破綻から建て直した上杉鷹山が好きとか。「東電の鷹山公」になれるか〉

<略歴> 
 こばやかわ・ともあき 88年(昭63)東工大工卒、同年東京電力(現東京電力HD)入社。2015年常務執行役、16年東京電力エナジーパートナー社長、同年東京電力HD取締役。神奈川県出身。53歳。6月23日就任予定。

2017年6月22日の記事を一部修正加筆

栗下 直也

栗下 直也
06月22日
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新々総特では柏崎刈羽原発の稼働時期を複数パターン想定し、収益計画を策定している。前提が不透明な上に収益計画も長期で捉えている。当然ながらこの収益計画を支え、数字を生み出すのは社員だ。東日本大震災直後の社員の離職などを乗り越えた今、いかにモチベーションを維持向上させるかが大きな課題として浮かび上がる。小早川次期社長、川村隆次期会長の改革に注目したい。

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