「オークマ×日立」「ヤマザキマザック×シスコ「アマダ×富士通」が生み出すもの

工作機械各社、IoT連携で工場全体のパフォーマンス改革を提案

 生産革新をけん引するIoT(モノのインターネット)は工作機械に新たな付加価値をもたらす。各社は電機メーカーやシステム会社と連携し、IoTに対応した機械開発、工場全体のシステム提案に乗り出す。

 オークマは5月、本社工場(愛知県大口町)敷地内に中・小型旋盤部品の新工場「DS2」を完成した。稼働状況監視システム導入を支援した日立製作所と協業して、ここでスマート工場のノウハウを蓄積し、サービス提供を始める。

 DS2は加工対象物(ワーク)の着脱ロボットによる生産自動化や、ワークと工具への識別タグ装着による分単位の作業指示などの仕組みを導入する。

 生産品目は中・大型旋盤を生産する本社工場「DS1」の4倍と多い。家城淳オークマ常務は「DS2は大手製造業モデルの実証工場。日立との協業モデルを構築し、トータルソリューションを提供したい」と意気込む。

 ヤマザキマザックは横型マシニングセンター(MC)を生産する本社工場(愛知県大口町)のスマート化を完了した。米シスコシステムズと共同開発したネットワーク接続装置8台を配置して工場内の稼働状況を見える化する。山崎智久社長は「製造業のサービス化が進みつつある。自社のノウハウを(外部に)出さないつもりはない」とオープンな姿勢を強調する。

 ジェイテクトは独シーメンスと、製造業のデジタル化領域での協力を開始。自社のデータ収集・解析モジュールをシーメンスの産業用IoTプラットフォーム(基盤)に接続し、顧客の工作機械全体の稼働データを分析する。

 シーメンスや第三者企業、ジェイテクトの工作機械などを活用する顧客が開発するアプリと合わせ、ソリューションサービスも提供する。

 アマダホールディングスは、富士通と板金工場をスマート化するシステムを開発し、18年初に発売する。稼働状況の見える化にとどまらず、アマダが蓄積した加工技術を生かした実効性の高い助言サービスにつなげる。

 機械各社は長らく、加工スピードの高速化や難削材への対応といった機械性能の向上に力を注いできた。しかし、ITの進展で新たな付加価値として、自社固有のノウハウとIoTを融合し、競合と差別化するスマート化がクローズアップされている。自社の生産性向上にとどまらず、サービスビジネスを本格化するためにIoTの活用が重要になる。
(文=名古屋・戸村智幸)

日刊工業新聞2017年6月21日

八子 知礼

八子 知礼
06月21日
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単一の機械設備の性能向上による部分的生産性改善から、製造工程全体や工場全体にわたるパフォーマンス改革や次世代モデルの実現へ、機械各社に求められる要求はもはや1社では実現できないレベルに。特にIoT(既存OTとITとの融合によるデジタルマニュファクチャ)の実現は競争力確保に必須。電機・システム各社との連携結果がどのようなイノベーションにつながるのか大いに期待したい。

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