パナソニックで最もコスト競争力のある製品は換気扇だった!?

春日井工場に先進のモノづくり現場をみた!

 パナソニックの春日井工場(愛知県春日井市)は換気扇、空気清浄機、熱交換器などの生産を手がける。2000機種以上の製品を年間約290万台製造する多品種少量の生産体制で、主力機種の8割以上を内製する。省エネルギーや工場管理に関する受賞歴も数多く、パナソニックグループのモノづくり力を体現する工場だ。

 特に3Dプリンターの活用は先進的で、2000年頃から導入をスタート。16年時点で光造形機4台、熱溶融造形機2台、金属造形機2台、光成形機1台を保有している。

 「空気清浄機を開発する場合、約40ある樹脂部品はすべて試作できる」(小谷健太郎生産技術部主幹)という。

 機械メーカーと共同開発した金属光造形複合加工機を使い、量産用の射出成形金型の製造も実現している。同加工機は自社開発の金属粉末をレーザー焼結して積層しながら、各層の周囲を逐次切削して輪郭を整える作業を1台でこなす。

 フライス加工、放電加工など複数の工程を経ていた金型製造を大幅短縮し、リモコンケース用の金型は設計から量産開始までの期間を21日から14日に短縮した。

 この工法は金型内に冷却用の水管を自在に張り巡らしたり、微細なガス抜き穴を作ったりすることも可能。成型部品の変形を減らし、肉厚変化が大きい部品でも一度に成形できる。

 金型の冷却を早めて、成形サイクルも短縮する。15年には同工法を使って換気扇部品コストを30%も削減する事例が生まれた。
(文=大阪・錦織承平)

日刊工業新聞2017年6月16日

日刊工業新聞 記者

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06月18日
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こうした実績を出せる背景には、約1700人という中規模工場に設計から量産までが集約されていて、部署や工程間の連携が取りやすいことがある。加えて、「やり始めたら諦めず、とことんやる伝統がある」(小谷健太郎生産技術部主幹)ことも重要だ。
(日刊工業新聞大阪支社・錦織承平)

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