中国で販売好調のホンダ。現地工場の“働き方改革”で機会損失防ぐ

武漢合弁は7月から土曜も稼働。従業員の週休2日制は維持

 ホンダは中国で自動車の生産体制を強化する。武漢工場(武漢市)の一部の生産ラインに7月から新たな作業体制を導入し、土曜日も稼働させる。ホンダは中国市場の販売が好調で、今後の販売拡大に向けて供給能力の増強が急務。同工場全体の基本的な生産能力は年間51万台だが、従業員の負荷を高めずに働き方を工夫することで同70万台まで生産できる体制を構築する。

 現地メーカーの東風汽車との合弁会社である東風ホンダ(武漢市)の第1工場の車両組み立てラインに導入する。同ラインでは現在、五つの全工程を計5人のグループで担当しているが、7月から全工程に対応できる従業員を1人追加して6人体制にする。これにより土曜日に工場を稼働しつつ、従業員が順番に休日を取ることで従来の週休2日体制を維持する。

 東風ホンダでは第2工場でも1日の勤務体制を、従来の2グループ2交代制から4月に3グループ2交代制にシフトし、土日も工場を稼働させている。

 ホンダの16年の中国の新車販売台数は前年比25%増の125万台で、4年連続で過去最高を更新している。17年は130万台以上を見込んでいる。

 ホンダは中国で、東風ホンダのほかに南部の広州市にも別の現地メーカーとの合弁会社を持っており、既に従業員の残業や休日出勤に取り組んでいる。両合弁会社を合わせて、17年は134万台の販売を計画する。

 東風ホンダは04年にスポーツ多目的車(SUV)「CR―V」の生産・販売を開始して以降、セダン「シビック」やSUV「XR―V」などを加え、現在は9車種までラインアップを拡充。16年の販売実績は、前年比5割増の60万台に達している。

 このほど新工場を着工、生産能力は年間12万台。現在は基礎工事を進めており、建屋の建設や設備導入を経て2019年前半に生産を始める予定。

 新工場の稼働により、ホンダの中国全体での生産能力は同128万台に増える計画。現地で拡大する自動車需要の取り込みとともに、将来普及が見込まれる電動車両の供給拠点としても活用する。

 

日刊工業新聞2017年6月14日の記事に加筆

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月17日
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 中国では経済成長を背景に、内陸部で自動車需要が伸びているほか、購買年齢層の若年化により自動車市場が拡大している。中国自動車工業会によると16年の新車販売台数実績は2803万台で、17年は2940万台に増える見通し。また18年からは環境対策の一環で、一定規模の生産・輸入量を持つメーカーに対しては、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの新エネルギー車を一定の割合にする規制が始まる見込み。
 ホンダは同一ベースの車両から異なる外観などを採用した車種を開発する「兄弟車戦略」の展開が奏功、18年にはEVを投入する予定で、2つの合弁会社で生産する。
(日刊工業新聞第一産業部・土井俊)

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