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鶏ムネ肉の自動盛り付けにロボット

なんつねが開発、全工程を自動化
鶏ムネ肉の自動盛り付けにロボット

コンベヤーを流れてくる鶏肉をピックアップし、トレーに盛り付ける

 なんつね(大阪府藤井寺市、南常之社長)は、スーパーなどの食肉加工現場向けに、鶏ムネ肉のトレー自動盛り付けロボットハンドシステムを開発した。ベルトコンベヤー上を流れてくる鶏ムネ肉のかたまりを1個ずつすくい上げ、食品売り場のトレーに盛り付ける。この作業は現在はパート従業員の人手で行われている。作業環境も低温を保つため、人に負担がかかっている。ロボットによる自動化で、これらの課題を解消する。

 スーパーの食肉売り場で大量に陳列される鶏肉のトレーパックは、メーカーから送られてくる2キログラム袋を開封、解凍処理し、脱水処理をしてから1個ずつトレーに盛り付ける。なんつねは開封から脱水処理までの工程向けに、省力化システム「エアー鶏」を販売済み。しかし、その先のトレーへの盛り付けは人手に頼っていた。今回のロボハンドシステムの投入で全工程を自動化できる。

 ロボットは三菱電機製で、防水や洗浄対応処理を施してある。カメラでコンベヤー上を流れてくる鶏ムネ肉を識別し、スーパーで見栄えが良いよう、皮が常に下側になるように盛り付ける。トレー1枚にかかる時間は6秒程度で、手慣れたパートほぼ3人分の能力相当と見ている。

 システムの価格は1000万円強を見込んでいる。「今後、さらに作業を高速化して能力をアップし、発売したい」(同社)という。
日刊工業新聞2017年6月16日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
システムインテグレーターが育てばもっと食品工程でロボットの導入が進むはず。人手不足で自動化のニーズはまずます高まっている。

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