ヤシ殻はバイオマス原料の安定調達につながるか

岩谷産業が輸入拡大

 岩谷産業は国内のバイオマス発電所向けに、燃料となる輸入ヤシ殻(PKS)やウッドペレットの輸入販売を拡大する。バイオマス発電所の建設が相次ぐなか、燃料需要増を取り込む。2021年にバイオマス燃料の売上高を、現行と比べて約50倍の500億円に引き上げ、同市場のシェア約2割を狙う。

 岩谷産業は既存事業であるPKSの輸入を増やすとともに、ウッドペレットの輸入を手がけていく。従来から取引のある電力会社や、電力会社が技術供与する新電力向けを中心に顧客獲得を目指す。

 燃料はインドネシアやマレーシアなど、東南アジアを中心に調達する。輸入増に合わせて、現地企業のM&A(合併・買収)や、共同事業の立ち上げも検討していく。

 電力各社は自社の再生可能エネルギー比率を高めるため、バイオマス発電所を増やしている。その中で岩谷は、同燃料の安定供給ができる調達窓口の役割を担いたい考えだ。

 バイオマス発電所は関西電力グループが、兵庫県朝来市で発電出力5600キロワットの発電所を運営する。このほか、相生火力発電所(兵庫県相生市)の2号機を木質バイオマス発電所に変更するため、三菱商事の子会社と共同出資会社を立ち上げた。

 国内バイオマス発電用の燃料市場は、21年には2500億円に高まる見通しだ。このうちウッドペレットが約6割、PKSが約2割を占めると見られている。

日刊工業新聞2017年6月14日

永里 善彦

永里 善彦
06月15日
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バイオマス発電は、原材料が国内では安定的に調達できず、また、できても調達コストが高くなるという難点があるしかし、原発再稼働に逆風の吹く昨今、温室効果ガス削減に向けて発電各社は、再生可能エネルギーを大幅に増やす必要がある。太陽光発電が頭打ちになりつつある現在、海外から安価かつ安定したバイオマス発電の原材料を国内に持ち込む必要がある。商機到来とみた岩谷産業は、燃料源としてのヤシ殻の輸入拡大を狙う。期待したい。

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