見守りサービス、「スマート介護」という切り札

コニカミノルタなど参入相次ぐ

 要介護者の状態を把握する見守りサービスが広がりを見せている。コニカミノルタやパラマウントベッド(東京都江東区)が関連事業を展開し、キヤノンマーケティングジャパン(MJ)は介護ベンチャーと協業した。高齢化の進展で介護需要の増加が見込まれる中、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を活用した「スマート介護」が、負担軽減や安全・安心を実現する切り札となる。

 「介護の人手不足が顕著になる中、介護の負担を軽減したい」。キヤノンMJの担当者はこう説明する。キヤノンMJはジーワークス(東京都新宿区)と組み、センサーで介護施設の入居者の状態を検知する「居室見守り介護支援システム」を開発した。

 状態の変化を携帯端末などで常時確認し、ベッドからの転落、徘徊(はいかい)などに素早い対応が可能。価格は10万円から(消費税抜き、別途サービス料)と「安価で短期間に導入できる」のが強み。介護施設を運用するSOMPOケアネクスト(東京都品川区)の全国115施設に導入する計画だ。

 コニカミノルタは独自の光学・画像技術とセンサー技術、情報通信技術(ICT)を融合した「ケアサポートソリューション」を提案する。異常時にスマートフォンで要介護者の映像を確認し、駆けつける必要性を判断できる。情報共有にも優れ「介護業務を変革できる」と期待する。

 パラマウントベッドの「スマートベッドシステム」はベッドに独自のセンサーを搭載。脈拍や呼吸、睡眠などの状態を連続で測定・検知し、スタッフステーションなどに情報を送ることで、「患者の容体の変化をいち早く察知できる」。

 また、日本光電が提供する見守りテレケアシステム「SUKOYAKA」は、山形県米沢市の「見守り支援用介護ロボット貸与事業」に採用された。センサーが要介護者の動きや環境を測定し、電子メールによる通知やウェブ上などで把握できる仕組みだ。

 ベンチャー企業でも関連サービスを事業化する動きが相次いでいる。アースアイズ(東京都中央区)はAIを活用した異常検知システムを介護に展開する。ラムロック(福岡県飯塚市)はNTTドコモと協業し、異常を携帯端末に送信する「みまもりキューブ」を実用化している。

日刊工業新聞2017年6月13日

村上 毅

村上 毅
06月14日
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8年後の2025年には3人に1人が高齢者となり、介護者不足の問題はさらに深刻化する。富士経済(東京都中央区)は25年に見守りサービスの市場規模が15年比46・3%増の139億円になると試算しており、今後も大手や中堅・中小、ベンチャー企業から関連サービスの提案が続きそうだ。

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