角度検出誤差10分の1のセンサー、TDKが車載向けに量産へ

買収したICセンスとの共同開発第1弾

 TDKはデジタル出力型のトンネル磁気抵抗素子(TMR)センサーを開発した。角度検出誤差を従来製品比で最大10分の1まで抑えた。2017年度内にも月に数十万個を量産し市場に投入する。自動車の電動パワーステアリング(EPS)の制御用途を想定しており、6月から国内外の自動車メーカーにサンプル出荷を行う。さらにドローンへの採用も視野に入れる。

 デジタル出力型TMRセンサーはASIC(特定用途向けIC)を搭載。デジタル型にすることで一定時間ごとに角度を修正でき、角度検出誤差を最大0.05度まで抑制することに成功した。

 4月に買収を発表したベルギーのICセンスの技術を応用した。ICセンスはASICの開発に強みがあり、センシングした値を読み取ることで正確に信号を処理できる。

 すでに国内外の自動車メーカーから引き合いがあり、複数のメーカーにサンプル出荷を行う。自動車1台当たりの磁気センサーの搭載数は増加傾向にあり、17年は15年比で2・5倍になる見通し。またドローンなどでは常に角度を測定し、位置を維持するニーズがあり、ロボット分野でも訴求する構え。

 TDKは約1500億円の売り上げを持つ高周波部品事業を米クアルコムに売却しており、17年度は減収、営業減益になる見込み。一方、その引き換えとして手にしたのがセンサー製品群だ。16-17年に5社に対してM&Aを行い、約2000億円の資金を投じて取得した。

日刊工業新聞2017年6月1日

日刊工業新聞 記者

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06月05日
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今後は買収した企業と早期にシナジーを創出できるかが喫緊の課題になる。今回のデジタル出力型TMRセンサーは、買収したICセンスとの共同開発の第1弾となる。20年度のセンサー事業の売上高は、16年度比で約5倍となる2000億円を目指す。
(日刊工業新聞第一産業部・渡辺光太)

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