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五島列島沖の海底で旧日本海軍潜水艦2隻を発見

ラ・プロンジェ深海工学会が画像公開、27年にも艦を引き上げ
五島列島沖の海底で旧日本海軍潜水艦2隻を発見

海底に突き刺さった潜水艦の音響画像(ラ・プロンジェ深海工学会)

 ラ・プロンジェ深海工学会(代表理事=浦環九州工業大学特別教授)は25日、1946年に海没処分された第2次世界大戦時の旧日本海軍の潜水艦が海底に突き刺さっている画像を公開した。長崎県の五島列島沖合、水深200メートルの場所をソナー(水中音波探知機)で調査し、全長100メートル程度と見られる海底に突き刺さっている潜水艦2隻を発見した。

 同工学会は19―21日に小型漁船を利用し、ソナーで海底を調査。得られた24隻の艦の映像の中で海底に突き刺さった画像を発見した。

 8月中旬から遠隔操作型無人探査機(ROV)を利用し4日間の調査を実施。艦の状態を詳しく撮影することでモザイク画像を作る。探査費用を集めるためクラウドファンディングを行う予定。さらに各艦の名前を明らかにし、2027年にも艦を引き上げたい考えだ。
日刊工業新聞2017年5月26日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
第2次世界大戦を生き残った日本の潜水艦は連合国軍総司令部(GHQ)によって同海域に沈められている。浦代表理事は「まるで艦が墓標のように立っており驚いた。沈んだ潜水艦を調べることで、戦争のない世界における技術というものを考えていきたい」という。

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