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自販機は公共の資産になるか!?アサヒ飲料が「見守り」検証

東京・墨田区内の約100台にIoT無線ルーター搭載
 アサヒ飲料は23日、情報通信研究機構と共同で、IoT(モノのインターネット)技術を活用した自動販売機(写真)による見守りサービスの検証を6月に始めると発表した。自販機で相互に地域の無線ネットワークを構築して、子どもや高齢者向けの見守りや交通安全、観光案内などを行うサービスの可能性を探る。

 アサヒ飲料が東京都墨田区内に置く自販機の内約100台に、国際無線通信規格「Wi―SUN」対応の情報機構が開発したIoT無線ルーターを搭載する。自販機の無線ネットにより、個々の自販機を情報の中継や発信の拠点に見立てる。ある自販機近隣で発信された情報を、離れた場所からもスマートフォンなどで確認できるようにする。

 実用化のめどが立てば、墨田区内で生活する住民らに電波を受発信するビーコンの端末を貸与し、さまざまな行政サービスを計画する。

 東京・浅草の浅草寺といった観光名所やみやげ店舗に無線ルーターを設置し、観光客に観光や店の情報のスマホを通じた提供も検討する。

 アサヒ飲料の自販機台数は合計約28万4000台。外国人向けに翻訳案内したり、常温飲料を提供したりできる。自販機の差別化戦略に力を入れている。

日刊工業新聞2017年5月24日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自販機は日本で街中にある貴重な公共アセットになる可能性がある。先日の英マンチェスターのテロをみても公共スペースの対策は難しい。いち民間企業のサービスを超えてあらゆる可能性を探ってもらいたい。

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