大手銀行、収益力テコ入れへグループ内再編に動く

 大手銀行でグループ内再編が加速している。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2018年4月に、傘下の信託銀行が手がける法人向け融資を三菱東京UFJ銀行に集約。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は同1月に傘下の証券会社同士を合併する計画で、みずほフィナンシャルグループ(FG)は資産運用機能を統合した。低金利環境で収益が悪化する中で、グループ内で役割分担を明確化したり規模の利益を引き出したりしてグループ全体の収益力向上に力を入れる。

 「不動産、年金、証券代行といった専門性を磨いて信託ならではのビジネスモデルを研ぎ澄ます」。平野信行MUFG社長は15日の決算会見で傘下の三菱UFJ信託銀行への期待をこう話した。三菱東京UFJ銀に法人融資業務を移管して、役割分担を明確にする。

 信託銀はグループ内の三菱UFJ証券ホールディングスと三菱東京UFJ銀が保有する三菱UFJ国際投信の株式を譲り受け完全子会社とする計画だ。平野社長は「傘下各社がグループの機能をお客さまに対してシームレスに提供できる体制にする」とも強調した。

 三井住友FGの国部毅社長は「グループ横断的なコストを抑えるのに、規模のメリットの追求や重複機能の集約が必要だ」と指摘。一環として傘下のSMBC日興証券とSMBCフレンド証券の合併作業を進めている。

 資産運用分野のグループ内再編も活発だ。みずほFGは傘下のみずほ信託銀行やみずほ投信投資顧問などの資産運用機能を統合した新会社を昨秋設立。

 三井住友トラスト・ホールディングス(HD)は中核子会社三井住友信託銀行の資産運用部門を分離し、グループ内の他の運用会社三井住友トラスト・アセットマネジメントとの統合を検討している。
              

(文=池田勝敏)

 

日刊工業新聞2017年5月19日

池田 勝敏

池田 勝敏
05月21日
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成長を期待する手数料事業の中で資産運用は、各社が重要分野と位置付けており、規模のメリットも効きやすい。日銀のマイナス金利の導入により、預金を貸し出して利ざやで稼ぐという銀行本業で収益を得るのが難しくなっている。一連のグループ内再編は、利ざやに頼らない手数料事業の拡大を迫られている事情もある。

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