本土復帰45年の沖縄、観光国際化の明と暗

 那覇市内の繁華街・国際通りは、1キロメートル以上にわたり沖縄料理や土産物の店が並ぶ観光スポットだ。「国際」の名は、昔あった劇場が由来とされる。だが多くの海外客が行き交う現在の光景は、もはやその由来に関係ない。

 県の観光客数は4年連続で過去最高となった。例年なら最も落ち込む1月の客数が、今年は5年前の夏場の最盛期を上回った。近年は東アジアからの誘客が奏功して、初めて外国人客が200万人を超えた。

 ただ客の急増にひずみも出ている。那覇市内では客室稼働率が向上した半面、人手不足で清掃やベッドメークが間に合わない。それでも次々にホテルが増える状況が悩ましい。

 解の一つは従業員にも外国人を雇用すること。とはいえコンビニエンスストアで母語の違う店員と客が対応に困っていたり、飲食店で日本語の注文が通らなかったりする場面をよく見る。県は2021年度までに外国人客数を倍増させる目標を掲げるが、質が伴わなければリピーターは望めない。

 15日に本土復帰45年を迎えた沖縄では、古くからの基幹産業である観光に加えて、新たにIT産業が芽を吹いた。両方を組み合わせ、外国人客に先進のおもてなしを提供する「国際」化ができないか。


沖縄県、昨年度の観光客数が過去最高−東アジアの旅行者伸びる


 沖縄県がまとめた入域観光客統計によると2016年度は過去最高の876万9200人(前年度比10・5%増)となった。国内客は約664万人(同6・0%増)、海外客は初の200万人台となる約212万人(同27・5%増)で、いずれも過去最高を更新した。

 航空路線の拡充に加え、クルーズ船の寄港回数と寄港地の増加による東アジアからの増加が主な要因。海外客の入域状況は台湾、韓国、中国本土、香港の順に多い。

 誘客は官民共同の活動が奏功しているが、急増する観光客の受け入れ態勢が追いついていない。17年度以降も増加基調が続くとみており、クルーズ船バースや2次交通などを整備し、21年度までの達成目標である観光客1200万人に向けて取り組む。

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2017年5月16日「産業春秋」/5月2日

三苫 能徳

三苫 能徳
05月20日
この記事のファシリテーター

史上最高と言われる好景気にある沖縄。それをけん引しているのは基幹の観光産業であり、急増している外国人観光客であるのは明白です。
それに呼応したホテルやショッピングセンターの建設など県外や海外資本による“行け行けドンドン”の部分がある一方で、観光は波がある産業だと歴史的に体感し、しかも資金力が強くない地場の中堅・中小企業は大胆な設備投資や人材の正規雇用に「まだ」なかなか踏み切れない。いまはそんな状況だと思います。

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