三菱電機「ポキポキモータ」は車載を攻略できるか

 家電や自動車の省エネ性能向上にはモーターの高効率化が欠かせない。三菱電機は独特な構造の高効率モーター「ポキポキモータ」を開発し、エアコンやエレベーター、自動車などに搭載している。家庭用エアコンの場合、圧縮機の運転効率を3%改善し省エネ化に貢献した。現在もポキポキモータの技術を応用した高性能モーターの開発が進んでいる。

 ポキポキモータは1993年、情報機器の薄型化が進む中、ディスク回転用モーターとして開発が始まった。ポキポキというネーミングが印象的だが、その理由は一目瞭然。鉄心に関節を設けて折り曲げられるユニークな構造で、巻線してから筒状に折り曲げてモーターを完成させる。

 一般的なモーターは鉄心に空いた複数の穴に銅線を通して巻きつけコイルにするが、穴いっぱいに巻くことが難しく材料ロスも多い。ポキポキモータは銅線を高密度で連続して巻いた後に鉄心を筒状にするため、磁束力が高まり効率が上がる。また、従来モーターの製造工程と比べると、銅と鉄の使用量を大幅に抑えられるという。

 高効率モーターの開発は三菱電機コンポーネント製造技術センター(兵庫県尼崎市)で進む。最近では、ポキポキモータの技術を応用した分割鉄心「カチッとコア」をつくり、15年に量産を開始。モーター効率を従来比で4%程度高めた。同社製業務用エアコンの室外機に搭載している。

 省エネ運転が求められるエアコンは、圧縮機やファンモーターに搭載する高効率モーターの開発が課題だ。「圧縮機はもともと高効率なモーターを使っており、今は0・1%の効率改善を各社が競っている状況」(宮本佳典モーター製造技術推進部長)という。

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向けモーターの開発も競争が激しく「各社がいろんな形でしのぎを削っている」(宮本部長)。将来的にはポキポキモータとはひと味違う、自動車用高効率モーターの開発も期待できそうだ。
(文=神戸・川合良典)

日刊工業新聞2017年4月25日

明 豊

明 豊
04月26日
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三菱電機は車載モーターの事業化に長く慎重だった。ここ3-4年でアクセルを踏み出しているが、日立AMSはホンダと手を組んだ。三菱電機は車載情報システムなどでホンダとの関係が深い。もう少し思い切ったスピードある決断ができやしなあかったか。これからの巻き返しに期待。

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