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”100人乗っても大丈夫”のイナバ。宅配ボックスの貸し出しに参入

JR蒲田駅近くの新店舗で月額制サービス
 イナバクリエイト(東京都大田区、氷室雅行社長)は、自社で管理・運営するレンタル収納スペース店舗に宅配ボックスを導入する。通信販売で購入した商品の送り先に、店舗住所とボックスの番号を指定する。インターネット通販の利用拡大に伴い、いつでも荷物を受け取れる宅配ボックスも需要が増加しているが、設置費用や場所の確保が必要。気軽に借りられる形で提供し、ニーズを掘り起こす。

 イナバクリエイトは東京都大田区のJR蒲田駅近くで4月に開業した新店舗「INABA96プレミアムクローゼット」に、宅配ボックスを導入した。

 個人用ロッカーとしても使える契約者専用ボックスを月額制で貸し出す。同店舗は室内の一角に防音室を設置し、楽器を収納する利用者が気軽に演奏できるよう配慮するなど、さまざまなサービスを実験的に取り入れている。宅配ボックスも新たな取り組みの一環。

 消費税抜きの月額利用料金は1300円。会社帰りの荷物の受け取りや、自宅以外の場所で荷物を受け取りたいといったニーズを想定。同店舗の利用状況などを検証しながら多店舗展開を検討する。

 同社は稲葉製作所の子会社で、レンタル収納スペースの企画や管理・運営を手がける。レンタル収納スペースは全国で149店舗を展開している。一方で、宅配ボックスを物置と組み合わせた戸建て住宅向けの商品を開発しており、今後本格的な販売に乗り出す。
日刊工業新聞2017年4月24日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
駅近くに宅配ボックスがあれば、仕事帰りに立ち寄って、ネットで注文した生活雑貨や本などを持ち帰ることができて便利だと思います。宅配便が普及していなかった幼少の頃、沖縄に住む祖父母から黒糖や缶詰などが入った小包が送られてきて、駅まで取りに行っていたことを思い出しました。再び荷物を駅などで受け取る時代が来るとは、予想だにしていませんでした。

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