東海大が熊本県に農学系の研究拠点を作る理由

阿蘇キャンパスで設置検討。「地域と一緒に大学の機能を役立てるのが使命」

 東海大学は、熊本県に産学官連携で農学系の共同研究開発を行う拠点設置の検討を始めた。熊本県や同県南阿蘇村など県内自治体をはじめ、県内企業の参画を目指す。環境をベースにしたプロジェクトとし、環境省など省庁との連携も模索する。拠点設置により、2016年に発生した熊本地震で被災した同大の阿蘇キャンパス(同県南阿蘇村)周辺地域の復興を目指す。設置時期は未定だが、18年度中に構想を具体化する考えだ。

 場所は東海大の阿蘇キャンパス周辺や、熊本キャンパス(熊本市東区)の敷地内などを想定。ITを使った農業に関する企業や、IoT(モノのインターネット)、アグリビジネスに関する企業など、幅広い業種の参画を見込む。

 設立にあたり必要となる資金のうち、外部資金は主に国の補助金を想定。運営は大学を主体とするが、自治体との連携も目指す。

 具体的には、発酵を利用して高い栄養価のある「発酵飼料」(サイレージ)の開発など、環境保全型の生産に向けた研究開発拠点を目指す。

 東海大の荒木朋洋九州キャンパス長(学長補佐)は、「まだ想定の段階だが、地域と一緒に大学の機能を役立てるのが使命だ。大学の研究・人的資産を社会へ還元したい」としている。

日刊工業新聞2017年4月20日

明 豊

明 豊
04月23日
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東海大は、阿蘇の草原を使った純阿蘇産のあか牛の生産に取り組んでいる。一般的に牛舎で育てる肉牛は輸入飼料を使う。一方、放牧で育てる肉牛は主に草原の草を食べて育つため、発酵飼料の普及で食料自給率の向上やブランド価値の向上などにつなげる狙いという。

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