エアバスの次世代大型輸送機、いよいよ量産化に動き出す

「ルーガXL」の大型部品がトゥールーズの最終組立工場に。19年運用へ

 エアバスは現地時間4月12日、パーツ輸送を担う次世代大型輸送機「Beluga XL(ベルーガXL)」に使用する大型部品が仏トゥールーズの最終組立工場に到着したと発表した。今後組立を進め、2018年の初飛行、2019年の運用開始を目指す。

 到着したのは側面用2つ、中央用1つの後部用パネルで、スペイン北東部ベランテビリャの工場から陸送した。

 ベルーガXLは、現行のA300をベースとする大型輸送機A300-600ST「ベルーガ」の後継機。A350 XWBファミリーの増産に伴い、2014年11月に開発が発表された。A330-200F貨物機をベースに5機製造する。コンポーネントや機器は既存のものを再利用するが、コックピットや貨物室などは新規開発となる。

 機体の中核部分は、A330-200Fの構造部分を補強して使用。2016年12月に機首や尾翼がない状態で組み立てられ、胴体と主翼の結合まで終えた。今年は胴体と機首や尾翼を結合させる。結合作業は、仏トゥールーズのブラニャック空港に隣接するエアバスの第2セクションL34ビル内で行われる。

 エアバスは2015年12月に初号機の製造を開始。スペイン工場で最初の「メタルカット」が行われ、後部胴体の製造を始めた。機体の各部位を統合するプロセスは18カ月で、最初の12カ月間で機体を完成させて機械的・電気的なシステムを取り付ける。残り6カ月間は機体を第2ステーションへ移し、地上試験とエンジンの取付を行う。エンジンは現行のベルーガは米GE製CF6だったが、英ロールス・ロイス製トレント700を選定した。

 ベルーガXLは、現行機より輸送力を30%向上させ、A350の主翼を2つ同時に運べるようにする。機体断面は1メートル広くなり、ペイロードも12%増える。既存のベルーガは新型機と順次入れ替え、2025年までに全機が退役する見通し。

 A350は3月末現在、821機を受注。このうち標準型のA350-900が602機でもっとも多く、長胴型のA350-1000が211機、開発中止となる短胴型のA350-800が8機となっている。

 量産初号機となるカタール航空(QTR)向けのA350-900は、2014年10月2日にロールアウトし、同月16日に初飛行。同年12月22日にカタール航空へ引き渡した。11月末までにA350-900が49機引き渡されている。2016年11月24日に飛行試験初号機(F-WMIL)が初飛行したA350-1000は、2017年末までの商業飛行開始を目指す。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL)が31機のA350を2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が就航する予定で、現在保有するボーイング777型機を6年程度で置き換える。
ベルーガXLのイメージイラスト(エアバス提供)

吉川 忠行

吉川 忠行
04月22日
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エアバス機の主翼などを運ぶ次期大型輸送機「ベルーガXL」用の大型部品、仏トゥールーズの最終組立工場に到着。

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