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沖縄発の熟成肉 経産牛の価値向上へ

 沖縄エージングカンパニー(沖縄県うるま市、玉城幸範社長)は、熟成期間を短縮し、うま味が増えて柔らかくなる熟成牛肉の製法を開発した。ドライエイジングと呼ばれる手法で製造する。通常30日間以上かかる熟成を20日とした。固いとされる子牛を産んだ後の経産牛の価値向上につなげる。

 同製法を使い、沖縄県産和牛を「超熟成牛=写真」として販売するほか、輸入牛や受託製造も手がける。3年後に取扱店舗数200店、月間取扱量を11トンに伸ばす。企画会社のオペラ(那覇市)と組んで拡販する。

 同社の調査では熟成前よりグルタミン酸量が4倍、柔らかさは40%高まったという。熟成効率を沖縄県工業技術センター保有の菌を使って高め、最適な熟成期間を研究した。肉はまず沖縄県内の飲食店やホテルでの提供を目指す。ギフト商品や通信販売も視野に入れる。
日刊工業新聞2017年4月20日
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
 熟成肉の製法には、密閉容器で肉の表面を空気に触れさせない「ウエットエイジング」もあるそう。今回のドライエイジング製法は、密閉しないためブロック肉の表面にカビが生える。最終的に表面を切り取って提供するため、ウエット~よりもロス率は高い。一方で香りやうま味は向上。売価も高まる。  玉城社長によれば「ステーキや牛カツとして、ミディアムレアの加熱具合がおすすめ」とか。

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