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今さら聞けない「ZEH」講座

もう目の前に!? 未来の家の形 【PART2】
今さら聞けない「ZEH」講座

株式会社カネカ 特徴は目立たない「瓦一体型太陽電池」

 ZEHに関して簡単に学んだ前回に続き、今回は実際に蓄電池システムを販売している企業を訪ねた。

ZEHのポイントは……



 ――ZEHを実現するには、太陽光発電などの創エネと同時に、使用する電力を下げる省エネへの取り組みも必要です。どちらか一方では成り立たない、それがZEHですが、弊社は従来より、屋根材と一体型の太陽光発電など、建材に取り組んできた強みを生かし、美しく設置できる住宅向け太陽光発電設備を展開する方針でした。ですので、ZEHに関心が高まっているのは弊社にとって良い方向だと考えています。

 そう話すのは株式会社カネカのPV & Energy management Solutions Vehicleの方。

 2012年の固定価格買取制度(FIT)の開始以降、太陽光は一気に盛り上がりを見せたのは周知の通りだが、当初は「今の屋根に置くだけ」という簡単で後付可能な設置型に注目があつまる傾向が強かった。

 ――弊社の「瓦一体型太陽電池モジュール(VISOLA®)」はまず「目立たない」という利点があります。また「省エネ」に関してですが、「夏も冬もぐっすり眠れる」よう「家」の基礎から、「家全体」で作りをとらえています。

 カネカは「省エネ」を、家の断熱・気密性能を高め、その上で、夏は「外の暑さを家の中に入れない・家の中の涼しさを家の外に出さない・こもった熱気を外に出す」、冬は「外の寒さを家の中に入れない・家の中のあたたかさを家の外に出さない」ようにし、できる限りエアコンなどの冷暖房機器の無駄な使用を減らしていくことだと考え、「外断熱(断熱・気密)」と「二重通気」という2つの技術を組み合わせた家づくりを提案している。

 「外断熱」とは、家全体を屋根も壁も基礎も、外側からすっぽりと断熱材で包むことで家全体の断熱・気密性能を高め、また地温の恩恵も受けられるという夏にも冬にも適した技術。
 一方で「二重通気」とは、家の躯体の中に設けた二重の通気層を使って気流をつくることで熱せられた家を冷ます、夏季に適した技術。この2つを組み合わせ、夏も冬も季節を問わず、いつでも快適な住み心地が実現しやすい家ができるようになった。

株式会社カネカHPより 「外断熱」と「二重通気」の仕組み

 
 ――「ソーラーサーキット®」という技術で、弊社では「株式会社カネカソーラーサーキットのお家」が主に取り組んでいます。暖房要らず、スリッパ要らずで、結露もしないので、お勧めです。
関東ですと、鎌倉モデルハウスでは株式会社イソダさんが、立川モデルハウスでは株式会社小嶋工務店さん、浦和カタクラモデルハウスでは株式会社高砂建設さんが弊社のソーラーサーキットを実際に体験していただけます。
 立川では体感宿泊可能ですので、夏や冬に訪れて体験していただければ実感しやすいのではないかと思います。
 
ただ気になるのは料金の事だ。費用が高額なのでは、と思い尋ねてみた。

――全てのZEHに言える事ですが、安いものではありません。料金も単品で販売しているものではないので一概には言えませんが、皆様、電気代は安くなったという事はおっしゃられます。
 ただ興味深いのは、料金以上によくお伺いするのが「エネルギー」への認識が変わったという事です。

株式会社カネカソーラーサーキットのお家より 発電モニターの様子


――どれくらい使用して、どれくらい発電しているのか。今まで「なんとなく」消費してきた「エネルギー」というものが「ソーラーサーキット®」を導入することにより目に見える形になり、今までぼんやりとしていた「エネルギー問題」がより身近に、よりクリアに認識できるようになるそうで、その部分から「本当にエコだな」と感じています。

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
「PV EXPO 2017[国際]太陽電池展」(2017年3月1~3日東京ビッグサイトにて開催)にも伺ってみましたが、各ブースで様々な商品を出されています。こういう所でまずは勉強してみるのもいいかも知れません。ちなみにインタビューをさせていただきましたカネカさんのブースでは「薄膜シースルー太陽電池」に特に海外の方たちが興味津々でした。

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