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今さら聞けない「ZEH」講座

もう目の前に!? 未来の家の形 【PART1】
今さら聞けない「ZEH」講座

株式会社カネカ提供「太陽光蓄電池システム」

 ZEH――「ゼッチ」と読むその3文字。一体何のことだろう、と思った方もいるのではないだろうか。
 「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスNet Zero Energy House」の略称で、住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅(「経済産業省」HPより)の事だ。

つまり
①住宅に断熱性と高効率設備を持ち(=省エネ)
②それと同時に太陽光発電などでエネルギーを創ることにより(=創エネ)
③結果、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする
住宅をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス―ZEH―という。

 
株式会社カネカHPより 「ZEH」とは?


エネルギーの「自給自足」という事になるが、果たしてそのようなことが可能なのか。



 政府は2020年までには一般的な新築住宅の過半数に導入、そして、2030年までには新築住宅にZEHが完備されている状態を目指し(「エネルギー基本計画」より)、その為補助金も出している。
 
 ただZEHの補助対象になる家は、どこの工務店・ハウスメーカーでも建築可能というわけではない。要項を満たし、申請・確認を経て、「ZEHビルダー」として登録されているハウスメーカーや工務店で建築された家が対象となり、さらに申請してからも予算の関係上、採択件数が決められている。ZEH仕様にしたが「落選」という結果になってしまう事もある。
 ただシステムを取り付ければ全て良し、というわけではなさそうだ。

株式会社カネカ「住宅用蓄電システム」


 そこで高出力の瓦型太陽電池「防眩タイプ薄膜シリコン太陽電池」、ZEB向けのシースルー太陽電池「シースルータイプ太陽電池(基板)」を2017年に発表し、ZEHビルダーや海外からも注目されている株式会社カネカにお話を伺った。



日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)普及加速事業費補助金(平成29年度)は交付要件を満たす住宅で一戸あたり75万円、想定件数は9700件程度(経済産業省2017年2月6日発表のもの)。件数を増えた場合は「性能の高い順で選ぶ」そうです。 簡単にもらえると思ってはいけない補助金。まずは勉強することが大切ですね……。

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