「医療IT」で抜け出すのはどこだ!機器メーカーが研究体制づくり急ぐ

「データヘルス」活用、各社は成長の切り札に

 医療機器各社が機器と情報通信技術を組み合わせた医療ITの研究体制を確立する。人工知能(AI)を活用した画像診断支援やIoT(モノのインターネット)による遠隔サービスが期待される中、コニカミノルタは米国での研究を強化し、GEヘルスケア・ジャパン(東京都日野市)は産学連携組織を立ち上げる。日立製作所も技術者を増員した。国は医療制度改革に「データヘルス」活用を掲げており、各社は成長の切り札として取り組む。

 コニカミノルタはX線撮影装置などを手がけるヘルスケア部門で医療ITの開発主体を米国に移す。同社は2015年に医療IT企業の米ビズテック(ノースカロライナ州)を買収。開発トップはビズテックに駐在し、遠隔サービスなどを研究する。

 遠隔サービスは米国だけでなく、医師不足が顕著な新興国などに展開する方針。まずはバングラデシュで課金事業の実証を始めた。現在は機器の売り切り型ビジネスが中心だが、ITを活用したサービス型ビジネスの可能性を探っていく。

 AIによる診断支援は、良質な医療データベース(DB)の構築がカギになる。GEヘルスケア・ジャパンは研究機関や、大学と連携を加速するため20人規模の専任組織「アカデミックチーム」を5月に立ち上げる。IT活用の基盤となるデータ収集・DB構築につなげるほか、最適な治療を見据えた画像診断価値の創出を検討する。

 日立製作所は画像診断装置などを手がけるヘルスケアビジネスユニット(BU)に他部門の医療ITの技術者を集約した。同BUで約5500人のうち、医療ITの技術者を100人規模で増員し、500人体制に拡充した。

 医療機器から発生する医療情報の解析・活用を促進する。さらに在宅・地域医療連携を見据えた製品・サービスを研究する。
              

日刊工業新聞2017年4月12日

村上 毅

村上 毅
04月17日
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医療機器の今後のキーワードは「連携・統合」だろう。機器にある医療情報を集め、分析し、加工する。それが患者や医療機関、医療そのものに新しい価値を生む。日本はCT、MRIにしても、人口当たりの設置台数は世界一位で、吸い上げる情報のベースはある。医療機器の高機能化が進み、各社の差別化が難しくなる中で、「医療IT」は「成長のドライバー」となる。

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