三菱重工の過給器工場が仮想発電所に!?自家発電を遠隔制御

京セラが技術確立、電力需給調整に活用へ

 京セラは遠く離れた場所から、自家発電機の運転を自動で調整する技術を確立した。遠隔制御が成功したと見なされる目安は、誤差がプラスマイナス10%。同技術は10分前に発電機へ出力を変える指示を出すと、プラスマイナス3%の誤差で高精度な調整ができる。電力会社は電力の需給調整に、自家発電機などを活用して協力してくれる事業者を募っている。京セラは応募する事業者に、確立した技術の採用を提案する。

 京セラは2016年度、経済産業省のデマンドレスポンス(DR、需要応答)実証事業に参加し、同技術を試した。三菱重工エンジン&ターボチャージャ本社工場(相模原市中央区)にある自家発電機7基と、ネットワークで接続。電力会社から要請を受けた京セラのサーバーが自動で発電機へ指示を出した。

 実証は発電量を調整したい10分前に、どれだけ出力を変えるかを発電機に指示する。16年夏から17年1月に、指示を16回発信。要請した出力との誤差が、プラスマイナス10%に収まった成功率は88%だった。年末年始の休業明けなどを除くと成功しており、平常時は確実に調整できると分かった。

 DRは工場やビルなどが節電に協力して、電力需給を調整する仕組み。ビルなどが正確に反応できるほど、電力会社は利用しやすい。

 DRを実証する企業は多いが、発電機の制御まで自動化するのは珍しい。また、10分前の指示は高速DRと呼ばれる。

 東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)は毎年、普段から需給調整に備えてくれる事業者を募集している。京セラは応募者を募り、確立した制御技術を採用してもらう。

 小さな電源を束ねて発電所のように扱う「仮想発電所(バーチャルパワープラント)」への発展を目指す。
                  

日刊工業新聞2017年4月14日

松木 喬

松木 喬
04月16日
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蓄電池や照明はON/OFFがすぐにできたりするので、外から「消して」「つけて」と指令を出しても、反応が早いです。ガス発電機となると発電を何kw単位で上下するように10分に前に連絡しても、追随に時間がかかりそうと思っていました。その意味でも京セラの実証は、成果があったと思います。

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