低酸素トレーニング室、東京五輪に向け引き合い増

環境試験器メーカーのエスペック。スポーツ分野向け売上比率を倍増へ

 エスペックはカスタム(特別仕様)品事業でスポーツ科学や生体医学などライフサイエンス分野向けの売上比率を2022年3月期に現状の10%未満から20%に引き上げる。装置部品のベースモデル拡充やモジュール化を進めるほか、設計技術者を学会などに出向かせ、情報やニーズの把握により設計に生かし研究者との関係構築にも役立てる。これにより、自動車分野向けに偏りがちな事業構成のバランスをとる。

 エスペックは気圧や温度、酸素濃度の制御により特殊な環境を再現する技術を生かし、スポーツ科学分野向けに低酸素状態でトレーニングが可能な施設などを手がける。低酸素トレーニング室は標高1000―5000メートルの高地と同じ環境でトレーニングを行うのと同じ効果が得られる。

 16年3月には低酸素トレーニング室と低酸素プール室を日本大学に納入した。低酸素トレーニング室は故障しても酸素濃度が下がらないような機能を付加し、空調設備を手がける競合の建設業者などと差別化している。

 同社のカスタム品事業ではエンジンやラジエーター、排気システムの性能試験用装置など自動車分野向けが50―60%を占め今後も増加が見込まれることからスポーツ科学分野などの拡大で受注の偏りを防ぐ。

 低酸素トレーニング室では過去20年程度で約20台の納入実績を持つ。20年の東京五輪・パラリンピックの開催を控え、実業団からも引き合いが来ているという。

 スポーツ科学分野の国内市場は年10億円規模と推定し、堅調な市場を開拓する。

日刊工業新聞 2017年4月6日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
04月16日
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 エスペックの2015年度(2016年3月期)連結決算の売上高は390億円、営業利益は35億円。同社は2025年度に売上高600億円以上、営業利益60億円以上の事業ビジョンを掲げています。

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