NEC、スポーツ部通じて認知度向上

「親しみやすさ」や「ダイナミックさ」、ブランドイメージに生かす

 企業向けビジネスを中心に展開する電機・IT各社にとって、消費者の認知度を上げることは課題の一つ。電機・IT業界の各社はスポーツ部を設立し、選手たちの活躍を通じ認知度の向上に役立てようとしている。国際大会での選手の活躍などであらためてスポーツの力が見直される中、実際の活動状況や効果などを探った。

ブランドに活用


 NECは現在、女子バレーボール部とラグビーフットボール部を運営している。1978年にバレー部、85年にラグビー部を設立し、それぞれ18人、45人の選手が在籍する。スポーツ部を設立したのは、社員の一体感を醸成するため。時代の変化とともに「地域貢献」や「営業支援」といった役割も担うようになった。

 休日やシーズンオフの時は、教育機関の講演や子ども向けのバレー教室・ラグビー教室といった社外イベントに参加する。そのほか自治体や顧客企業への訪問など営業活動にも一役買っている。また一般的にバレーは「親しみやすい」、ラグビーは「ダイナミック」という印象を持たれており、これをNECブランドのイメージとして活用できないか検討を始めている。

 ただ、やはり試合での活躍がもっとも期待されている。スポーツ部を担当する総務部の今岡大拓総務部長代理は「とにかく一つでも多く勝ってもらいたい」と話す。各種大会での優勝や、選手のオリンピック出場などで「社内全体が盛り上がり、モチベーションアップにつながっていると感じる」(今岡部長代理)という。実際、16年のリオ五輪にラグビー部の後藤輝也選手とバレーボール部の島村春世選手が出場したことで社内は沸き立った。

 勝利に向け、サポート体制も強化している。「良い指導者、良い人材、良い環境という三つが組み合わさると強い組織になる」(同)と説明する。バレー部は玉川事業場(川崎市中原区)が、ラグビー部は我孫子事業場(千葉県我孫子市)が勤務先で、この中に練習場所と寮を完備している。バレー部の中村貴司ゼネラルマネージャーとラグビー部の角田道生チームディレクターは練習環境について「すごく良い環境」と口をそろえる。

練習がメーン


 バレーの選手は特定の部署に配属されるものの、基本的に練習がメーン。社会人としてのマナーを覚えるために所属先の部署や本社で研修を受けている。ラグビーの選手は入社後、一般社員と同様に研修を受けて、それぞれ配属先で業務に対応。シーズン中は15時から練習を行っている。

試合で活躍するNECの選手たち(バレー)

 企業のスポーツ部では、選手たちのセカンドキャリアにも関心が集まる。この点については、ラグビーの選手は働きながら選手生活を送っているので問題ない。一方、バレーの選手は練習がメーンであるため、引退間近になったら研修や面談を通じて最適な配属先を決めている。社内では「ラグビー部もバレー部も礼儀正しい」というイメージが強いことから人気が高く「ぜひ、うちの部へ」という勧誘も多い。

 バレー部は社会人バレーの1部リーグ「V・プレミアリーグ女子」で、2年ぶりに6度目の優勝を果たした。直近に発表した16年4―12月期連結決算では営業損益が170億円の赤字になったものの、スポーツでは明るい話題が出ており、さらなる活躍が期待される。

日刊工業新聞2017年3月30日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
04月14日
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「躍動する企業スポーツ」という連載記事の初回に掲載された記事です。

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