ファナックがロボットの制御装置を5年ぶりに刷新した理由

自動車以外へも広がり「スマホライクな使いやすさを目指した」

 ファナックは産業用ロボットの制御装置(コントローラー)を5年ぶりに刷新し、操作性を高めて処理能力も同社従来製品と比べ1・5倍に向上した。ロボットの動作をタッチパネルでアイコンなどを操作するだけで簡単に設定できる。ロボットの需要は自動車から一般産業分野に拡大。同社は2018年にロボットの月産能力を現状比約7割増の1万台に高める計画で、使いやすい商品の展開と供給力の拡大で新分野の拡販につなげる。

 「スマホ(スマートフォン)ライクな使いやすさを目指した」。ファナックの稲葉清典取締役専務執行役員は新コントローラー「R―30iB Plus」の開発で、家電を扱うように初心者でも産業用ロボットを立ち上げられる操作環境の実現に力を注いだと指摘する。

 新コントローラーではロボットの動作を設定する教示盤や画面を刷新。従来はプログラムを入力するような作業が必要だったが、アイコンなどを手順に沿って操作するだけで初期設定やロボットを動かすためのプログラムを簡単に作成できる。主力製品のコンピューター数値制御(CNC)装置と画面を統一し、利便性も高めた。

 コントローラーに搭載する中央演算処理装置(CPU)の処理速度を同社従来製品と比べ1・5―2倍に向上。カメラの画像転送速度を同4倍に高速化することなどにより、処理能力を高めた。対象物を認識するアルゴリズムなど画像処理技術を自ら手がけることで、「ロボットの動きと同期しやすい環境を実現した」(加藤哲朗同社常務理事)。

 ファナックは筑波工場(茨城県筑西市)の一部を改修し、4月にロボットの月産能力を6000台に向上。17年内に同7000台、「18年に同1万台に引き上げたい」(稲葉専務)としている。

日刊工業新聞2017年4月7日

日刊工業新聞 記者

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04月09日
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人手不足や人件費の高騰、自動化による品質向上対策などを背景にロボットの需要は拡大する。またユーザー層もこれまでの自動車から、「食品などその他の一般産業分野にも広がりつつあり、新たなユーザーを獲得する上で使いやすさが重要になっている」(稲葉専務)。ファナックは供給能力とともにあらゆる作業者がロボットを扱える仕組みを提供することで、新たな需要を取り込む。
(藤崎竜介)

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