もはやパティスリーを凌ぐ?コンビニ菓子の競争がすごいことになっている

個性打ち出しに腐心

 コンビニエンスストアがシュークリームなど、オリジナル菓子の開発でしのぎを削っている。オリジナル菓子は利益率が高く、女性客の取り込みにも効果的な商材とされている。ただ、消費者の好みを追うと各社の商品が似通り、個性の違いを打ち出しにくくなるといった難しさもあるようだ。

品質に自信


 セブン―イレブン・ジャパンは25日、全面刷新したシュークリーム「THEセブンシュー」を発売する。小麦粉を与えて育てた鶏が産んだ卵「エグロワイヤル」や発酵バターを用いるとともに、クリームがこぼれにくい設計にした。

 同社は2001年から、なめらかなカスタードクリームを用いた「ミルクたっぷり とろりんシュー」を販売している。しかし、16年は1店舗当たりの平均販売数が1日9個と、発売当初の半分に落ち込んだ。

 競合他社も似た商品を出している点も響いたが、「お客さまの変化についていけていない」(石橋誠一郎取締役執行役員商品本部長)と判断。とろりんシューの販売をやめることにした。THEセブンシューの消費税込みの価格は、とろりんシューより30円高い130円に設定した。

 一方、ローソンは3日に「プレミアムショコラエクレール」を発売した。消費税込みの価格は295円で、定番品の「とろけるエクレア」の2倍以上。だが、担当者は「専門店なら400―500円レベルの品質」と自信を見せる。

食べやすく改良


ローソンのデザートブランド「ウチカフェ」の購入者は6割が女性。しかし、エクレアの場合は、男性の比率が高くなるという。食べる際に、クリームがあふれる点を気にする女性が多いためだ。そこで同社は、新商品のエクレアの生地を一般的なエクレアよりも細くし、上部にもチョコガナッシュを絞って高級感を出すといった工夫を施した。

ウチカフェなどコンビニのオリジナルデザートブランドは、数年前まで売り上げを大きく伸ばしていた。ただし、最近は「冬アイス」「朝アイス」といった新たな流行づくりに成功したアイスクリーム業界に押され、テコ入れが必要になっている。ミニストップはアサヒ飲料の「ドデカミン」や、江崎グリコの「ドロリッチ」といったメーカー飲料に、自社オリジナルのソフトクリームやかき氷を組み合わせ、カウンター商材として提案する方針だ。

同質化を回避


 ローソンは健康志向型店舗「ナチュラルローソン(NL)」で16年7月に、美容や健康に役立つ間食「ヘルシースナッキング」の販売実験を始めた。谷口佳明商品本部NL商品部長は「競合他社に先駆けて提案してきた。商品を追加し、継続してやっていく」と意気込む。NL全体についても「17年度は徹底した差別化がテーマ」と強調する。

 競合他社も“健康系”の商品を投入している。同質化を避けつつ「まねできない、とがった商品を出す」(谷口佳明商品本部NL商品部長)ことが、顧客を引き込む上でさらに重要となっている。
(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2017年4月6日

昆 梓紗

昆 梓紗
04月06日
この記事のファシリテーター

コンビニ菓子、女性がたくさん購入しているようにも思いますが、実は男性客が多いのではないかと思っています。一人でお菓子屋さんに入るのは心理的にもちょっと負担、残業帰りでも買える…などなど。

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後藤 信之
後藤 信之
04月06日
「ミルクたっぷり とろりんシュー」は衝撃的でした。コンビニ菓子のイメージを覆すおいしさに1週間ぐらいリピートしました。しかし記事での指摘と同様に、僕も最近はご無沙汰。おいしいコンビニ菓子が増えたからでしょう。今後の競争はおいしさのほか、食べやすさや流行づくり、健康指向がカギになるようで
す。
  

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