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マンガから文庫に誘導、書籍配列に仕掛けをした大学図書館は?

近畿大が新施設「マンガを切り口に、各テーマに興味を持つきっかけになれば」
 図書館の固定観念を壊せ―。近畿大学は、東大阪キャンパス(大阪府東大阪市)で、2013年9月から進めていた大規模整備の第1期工事が完了し、5棟からなる新エリア「アカデミックシアター」を公開した。中核施設の新図書館棟(写真)では、一般的な「日本十進分類法」を使わず独自に書籍を分類。マンガの横に関連するテーマの新書や文庫を置き、読書に誘導する仕掛けが施されている。

 約2万2000冊のマンガを含む約7万冊を複数の小部屋に分けて配架。図書分類を監修した編集工学研究所(東京都世田谷区)の松岡正剛所長は「マンガを切り口に、各テーマに興味を持つきっかけになれば」と期待を込める。学生の活字離れの現状を踏まえ、まず好奇心をかき立て、徐々に深い知識を書籍から得てもらうのが狙いだ。141万冊を所蔵する旧図書館も残し併存させる。

 4月にオープンする同シアターの延べ床面積は約2万8000平方メートル。24時間利用可能な自習室や産学連携スペースなども設置した。投資額は今回の第1期と、今夏にも着工する第2期を含めて約500億円。
日刊工業新聞2017年4月3日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
最近は自治体を含め図書館が大きなイノベーションを起こしている。それにしても近畿大は固定観念を壊す活動が盛ん。

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