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今日からSUBARUです。吉永社長インタビュー「今しかないと思った」

「社員が決められないことを決めるのが社長の仕事」
今日からSUBARUです。吉永社長インタビュー「今しかないと思った」

吉永泰之社長

 ―4月1日に社名がSUBARU(スバル)に変わります。
 「2014年に中期ビジョンを発表した頃から心の中でチャンスがあれば変えたほうがいいと考えていた。うちは大手に比べて規模が小さい。販売数量ではなく付加価値を認めてもらい利益率を高めて成長するしか生きる道はない」

 「付加価値はブランド力にほかならない。スバルブランドをより魅力的なものにするブランド磨きに全員の力を集中させたいと思い社名変更を決めた。業績が順調だからこそ刺激も与えたかった。変更するタイミングは創業100年の今しかないと思った」

 ―吉永さんはこれまで社名変更や事業撤退などいくつかの大きな決断をしてきました。
 「若いころ『何でうちの会社は役員が一般社員と同じような仕事をしているのかな』と思ったことがある。当たり前だが、役員が課長の仕事をして忙しそうにしてはだめで、社員が決められないことを決めるのが社長の仕事だ」

 「だから何かを決断するとき私は死ぬほど考える。家でも風呂でもずっと。自分を含めて社長は考える体力がなくなったらやめるものだと思っている。あとはいくつか選択肢があれば、リスクがあってもチャンスがあるほうを選ぶようにしている。決断したら明るく報告する。暗い顔をして人前に出るのが嫌いなので」

 ―2021年に電気自動車(EV)を投入します。スバルらしさは出せそうですか。
 「私は技術系ではないしあまり枝葉に入るタイプじゃないので、楽しみに待っていようと思う。全面改良した新車台の開発を決めた時も15年に新型車が出せないリスクがあったが、感動で震えるくらいの完成度で新車台採用のインプレッサは賞までいただいた。技術陣を信じている。きっとやってくれる」

 ―世代交代が始まっています。
 「私たちの世代は厳しい局面を経験して鍛えられた人が多い。業績好調な時に入った若い人には大きな仕事のチャンスを与えたい。経験が人を成長させる」
(聞き手=下氏香菜子)
日刊工業新聞2017年3月31日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
吉永社長には一度もお会いしたことはないが、人柄がにじみ出ている。富士重の歴代社長は人が良い。社長は「次ぎの社長」を作り、会社の歴史は続いていく。 。  

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