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出力100W級高輝度、阪大が青色半導体レーザーを開発

純銅も高品質で加工
出力100W級高輝度、阪大が青色半導体レーザーを開発

100ワット級青色半導体レーザー

 大阪大学接合科学研究所の塚本雅裕准教授と島津製作所、日亜化学工業は、世界で初めて出力100ワット級高輝度青色半導体レーザーを開発した。青色半導体レーザーは金属に対する吸収率が高く、近赤外線半導体レーザーでは難しかった純銅も高効率かつ高品質に加工できる。

 集光スポット径を100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下に絞れ、溶接機や金属3Dプリンターにも用途が広がる。

 日亜化学製の青色窒化ガリウム(GaN)系のレーザー素子を採用。島津製作所が多重合成技術で、コア径100マイクロメートルの1本のファイバーに集約した。これまでは同20ワットのファイバーを6本接続していた。

 月内にも出力100ワットの青色半導体レーザーを搭載した溶接機の試作機を完成する。村谷機械製作所(金沢市)の協力で製作した。

 青色半導体レーザーは波長が450ナノメートル(ナノは10億分の1)。近赤外光に比べて銅で6倍、ニッケルで1・5倍、炭素鋼で3割高い吸収率が得られる。吸収率が高いと加工品質が上がり、消費エネルギーも抑えられる。
日刊工業新聞2017年3月27日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
今回の開発案件は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト。4月19日から横浜市西区で開催される「レーザーEXPO」で実機を披露するそうです。

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