トランプ氏のトヨタへの工場建設要請「ストレートに表現しているだけで違和感はない」

自工会会長が一定の理解。政治リスクの最小化も経営の重要な要素

 日本自動車工業会の西川広人会長(日産自動車共同最高経営責任者=写真)は16日、都内で定例会見を開き、トランプ大統領が企業に対米投資を促していることに対し「各国元首が自国に投資してほしいのは当然だ」と話し一定の理解を示した。米新政権の政策に柔軟に対応する姿勢を示した。

 現地報道によるとトランプ氏は15日、日系メーカーと会談しトヨタ自動車に工場を建設するよう要請。西川会長はこうした言動を「ストレートに表現しているだけで違和感はない」とした。

 その上で北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しについて「仮にルールが変わればそれに従って各社対応するだろう。業界全体のサプライチェーンで最適化を図るのが命題になる」と語った。

 米政権が日本を非関税障壁と指摘していることに対しても「日本はオープンだと認識しているが外から見て問題があれば解決に向けて努力することはやぶさかではない」と述べた。15日に大手で出そろった2017年春闘の妥結内容については「物価動向を考えれば去年よりもベアが低いのは妥当だ。4年連続でベアになったことは前向きに受け止めていいのでは」とした。

 自工会は同日、2016年度と17年度の国内需要見通しを発表した。それぞれ前年度比2・0%増の503万8300台、同0・8%減の500万300台とした。

 西川会長は「足元で登録車の需要が戻っている。来年度もこのペースが続く」とした。また同日開いた理事会で昨年末まとめた下請け取引適正化への「自主行動計画」を最終承認した。西川会長は「確実に実行して経済の好循環につなげたい」とした。

日刊工業新聞2017年3月17日

安東 泰志

安東 泰志
03月17日
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米国が「非関税障壁」と呼ぶものは、仮に緩和しても日本での米国車の販売を急増させるものではなかろう。また、自工会会長が言うように、各国政府が対内投資を求めるのも当たり前のことだ。政治リスクの最小化も経営の重要な要素であり、米国とウィンウィンの関係を築けるように地道に交渉すれば良い。トランプ政権が輸入制限的措置など不規則な動きに出るのが一番嫌だったので、今回の件は先方の意図が明確になっただけ前進と考えたい。

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