「飲む・浴びる・洗う」 LIXILが仕掛ける水回り製品のブランド化

水栓の高付加価値化を目指す

 LIXILは水栓の高付加価値化を目指す、新たなプロジェクトを始めた。これまでは浄水栓やカートリッジの開発を通じ、おいしくて安全・安心な水を追求してきた。新プロジェクトでは「飲む」「浴びる」「洗う」など、水の可能性をより幅広く追求する。新たに開発する水処理の技術を「X―Water(Xウオーター)」として水回り製品に広く展開し、ブランド化を目指す。

 LIXILは2015年に、水栓事業部を発足した。複数の部署にまたがっていた関連する機能を統合した。きっかけは水栓金具大手、独グローエの子会社化。当初は日本側の対応相手(カウンターパート)としての役割だったが、情報共有や技術的な連携を進めるうちに、LIXIL社内でも「水栓金具がフォーカスされる機会が増えた」(LIXIL)という。

 プロジェクトの指揮を執る浅野靖司水栓事業部長は「『X―Water』はブランディング。水の可能性を追求するモノづくりの姿勢を表している」と話す。キッチンや浴室、トイレなどの水回り全般の製品に、X―Waterブランドを冠した新しい価値を乗せていくことがプロジェクトのテーマ。やや漠然としているが、技術としては「セラミックスがベースになる」(浅野事業部長)と、方向性を示唆する。

 LIXILの浄水栓は、セラミックス製フィルターと活性炭を組み合わせたカートリッジを内蔵しており、日本工業規格(JIS)の基準などで定められた遊離残留塩素(カルキ)などを高精度で除去する。フィルターは、旧INAX時代から培ったセラミックス技術を応用したもので、1マイクロ(マイクロは100万分の1)―30マイクロメートルの無数の孔が3次元的に分布しており、0・1マイクロメートル程度の極小の不純物をとらえることができる。


 現在は、九州大学大学院の都甲(とこう)潔教授とインテリジェントセンサーテクノロジー(神奈川県厚木市)が世界で初めて実用化した「味認識装置」を使い、浄水栓の水を分析。味を定量的にとらえ、味覚の阻害物質を選択して除去できる技術の開発や、用途によって最適な浄水を選べるような研究を進めている。

 水の用途のうち「浴びる」に関しては、肌に刺激の少ない水の研究などを進める。物質を除去するだけでなく、何かを加えたり、改質したりする手法も検討する。

日刊工業新聞2017年3月15日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
03月16日
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今後は水回りに関わる各事業部に告知し、社内にもプロジェクトを浸透させる考え。ここで社内を納得させるだけの、画期的な研究成果が出せなければ商品化は難しい。挑戦は始まったばかりだ。
(日刊工業新聞第ニ産業部・斎藤正人)

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