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「やっと見つけた!」ゴム専門通販サイト「ゴム通」

**多様なゴムの世界
 輪ゴム、ボール、はきもの、タイヤ、ホース、パッキン…。今日、身のまわりにはゴム製品があふれている。力を加えると変形し、力をゆるめると元に形が戻るゴム。この「ゴム弾性」という性質を生かして用途を広げてきた。多様なのは用途だけでなく原材料もそうで、ゴムノキの樹脂を原料とする天然ゴムを筆頭に、合成ゴムではブタジエン系、ニトリル系、シリコーン系、ウレタン系と、用途と特徴に合わせてさまざまな原料のものがある。一口でゴムと言っても実に多様でとらえどころがない。それは自由に形を変えるゴムらしい特徴かもしれない。

「ゴム通」ってどんなサイト?


 ゴムの世界を身近にするウェブサイトが注目を集めている。「ゴム通」(https://gomu.jp/)がそれだ。ゴム部材メーカーの扶桑ゴム産業(広島市南区、田村雅春社長、082・253・0562)が運営する通信販売サイトで、特徴はその専門性の高さ。取りそろえたゴム商品の種類は約3300点。それぞれのゴムごとに寸法別のラインアップがあり、トータルで約4万5000点ものゴム材料を取り扱っている。「シート・板」、「棒・パイプ」、「紐・ホース・チューブ」など形状ごとに分類されており、材質や形状、メーカーなどからも検索できる。中には珍しいゴムもあり「同業のゴム屋さんから注文が入ったりすることもある」(扶桑ゴム産業ゴム通事業部企画担当者)という。

ゴム通ウェブサイトのイメージ




専門サイトならではの品ぞろえ


 ゴム通ならではの商品の代表例が「シリウス」だ。耐熱性や絶縁性に優れたシリコーンゴムの薄いシートで、薄さは最小で0・03ミリメートル、これを約300ミリメートル角の最小寸法から販売している。用途は半導体関連機器から理化学関連機器など様々。シリコーンゴムの薄いシートを作れる技術を持つ会社は限られており、扶桑ゴム産業はそのメーカーと提携して商品化にこぎ着けた。
通常こうした商品は、買おうとすると数百メートル単位という大ロットのものになる。ゴム通の特徴は、それが1点から、しかも小さな寸法で手に入ること。「お客様からは、値段のことよりも先に『やっと見つけた』とまず言われることが多い」とゴム通企画担当者は話す。

極薄シリコーンゴム:シリウス

 ゴム部材の品ぞろえも充実している。ドアのクッションに使われる「戸当りゴム」や、窓ガラスの保持に使う「H型ゴム」などのシール材は「メーカーを探し回って通販対応してもらった」(同)という。また、例えば自動車のシフトレバーのカバーなどで見かけるような形状のゴムの蛇腹も豊富。メーカーと扶桑ゴム産業とで手分けして在庫を持つことで短納期に対応、約100種類に及ぶラインアップを取りそろえることで、売れ筋商品に育ってきた。
 シール材として使われる丸いリング状の部品「O(オー)リング」も特徴だ。通常のゴムリングは金型で一体的に成形する。ところがゴム通で取り扱うリングは「送り焼き」と呼ぶ方法で、紐状のゴムをつないで、継ぎ目のないリングとして仕上げる。これにより内径を4ミリメートル刻みで細かくラインアップすることができた。限られたメーカーしか作れない技術で、ウェブサイト経由の販売は行っていなかった。ゴム通と共同で通販対応したことで新しい顧客を開拓しつつある。

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